営業利益は固定費の増加や原材料価格の上昇などの減益要因はあったが、国内外での大幅な増収や為替の改善などにより、前年同期比 659 億円(80.7%)増の 1,475 億円となった。
■部門別の概況(外部顧客への売上高及びセグメント利益の状況)
<機械部門>
国内売上高は前年同期比 10.9%増の 1,604 億円。消費増税前の駆け込み需要の反動減からの回復や、経営継続補助金による需要の増加により農業機械や農業関連商品が伸長した。海外売上高は前年同期比 35.9%増の,809 億円となった。北米では、港湾の混雑や人手不足 に伴う生産や出荷の遅れはあるものの、郊外移住などに伴う旺盛な需要を背景にトラクタや建設機械 が大幅に増加したほか、エンジンも回復した。
欧州では、前年の新型コロナウイルス感染拡大に 伴う販売低迷からの回復により、建設機械、トラクタ、エンジンが揃って増加した。
アジアでは、タイ の農業機械が良好な天候や農産物価格の高値安定などにより大幅に増加したほか、中国、インド、フィリピンでも農業機械が好調に推移した。その他の地域では、オーストラリアのトラクタや建設機械が例年を上回る降雨や政府の景気刺激策を背景に大きく伸長した。
セグメント利益は固定費の増加や原材料価格の上昇などの減益要因はあったが、国内外での大幅な増収や、前年同期に出荷された製品に含まれる生産工場の損益が悪化していたことなどにより、前年同期比 65.1%増加して 1,439 億円となった。
<水・環境部門>
同部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)により構成。売上高は前年同期比 2.5%減少して 1,466 億円となり、売上高全体の 13.3%を占めた。
国内売上高は前年同期比 1.8%減の 1,286 億円となった。パイプインフラ関連製品は緊急事態 宣言に伴う工期延長の影響などによりダクタイル鉄管や工事事業が減少した。環境関連製品は排 水ポンプ車の増販によりポンプが大幅な増加となった。海外売上高は前年同期比 7.4%減の 180 億円となった。素形材などが減少した。
セグメント利益はプラント建設コストの改善などにより前年同期比 33.2%増加して 132 億円となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成。売上高は前年同期比 7.6%減の 136 億円となり、売上高全体の 1.2%を占めた。セグメント利益は前年同期比 9.6%増加して 16 億円となった。
■連結業績予想に関する定性的情報
2021年12月期の売上高は前回予想時(2021年2月15 日)から 1,000 億円増の 2 兆 1,500億円を見込んでいる。国内ではトラクタや農業関連商品などが堅調に推移しているほか、アジアなどで農業機械が大きく伸長していることや、為替相場が想定よりも円安で推移していることなどにより海 外売上高も増加する見込みのため、上方修正した。
営業利益の予想については、原材料価格が高騰しているものの、売上高予想及び為替動向などを 踏まえ、前回予想を 400 億円上方修正し、2,600 億円。税引前利益は前回予想比380 億円増の 2,630 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前回予想比 250 億円増の 1,830 億円とした。
なお、足元で新型コロナウイルス変異株の感染が世界的に拡大している。今後さらに状況が悪化した場合には、クボタ業績にも影響が出る可能性があるが、現時点では想定が困難なため業績予想には反映していない。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=108 円、1ユーロ=130 円としている。