1~6月期は、新型コロナウイルスによる世界的な移動制限の影響が継続し、航空機器、鉄道車両用機器では需要が減少した。一方、産業用ロボット向け精密減速機は、自動車向けを中心とした設備投資の拡大を背景に需要が増加した。また、油圧機器は中国市場における建設機械向けが堅調に推移した。
■セグメント別概況
<コンポーネントソリューション事業>
精密減速機は、世界的な自動車産業での設備投資の高まりから、産業用ロボットの需要が旺盛であったことに加え、一般産業向けも需要が拡大し、売上高は前年同期比で増加となった。
建設機械向け油圧機器は、中国での第1四半期の高い需要に加え、欧米・東南アジア市場が回復したことにより、売上高は前年同期比で増加となった。
<トランスポートソリューション事業>
鉄道車両用機器は、新型コロナウイルスの影響により、海外向け案件の入札遅れや、国内の新車案件及びMRO(Maintenance, Repair, Overhaul)の需要が低迷し、売上高は前年同期比で減少となった。
航空機器は、民間航空機の大幅な減産の影響に加え、防衛装備品調達計画の谷間により需要が低迷し、売上高は前年同期比で減少となった。
商用車用機器は、国内における需要が回復し、売上高は前年同期並みとなった。
舶用機器は、国内外においてMROが堅調に推移し、売上高は前年同期比で増加となった。
<アクセシビリティソリューション事業>
アクセシビリティソリューション事業の受注高は、前年同期比1,438百万円(△3.8%)減少し36,620百万円となった。売上高は、同27百万円(△0.1%)減少し35,940百万円、営業利益は、同295百万円(8.5%)増加し3,783百万円となった。
自動ドア事業は、プラットホームドアにおいて国内鉄道事業者の投資先送りの影響を受けたものの、国内外の建物用ドア需要が堅調に推移し、売上高は前年同期並みとなった。
<その他>
その他の受注高は、前年同期比2,706百万円(34.8%)増加し10,489百万円となった。売上高は、同259百万円(3.3%)増加し8,198百万円、営業利益は、同308百万円(43.9%)増加し1,011百万円となった。
包装機は、外食産業での不振により国内需要は伸び悩む一方、中国での需要増加により、売上高は前年同期比で増加となった。
■連結業績予想等の将来予測情報に関する説明
2021年12月期連結業績予想は、第2四半期までの業績及び今後の動向等を踏まえ、2021年2月10日公表値を下記の通り修正した。
売上高3,060億円(前期比9.5%増)、営業利益330億円(同15.7%増)、税引前利益169億円(同401.2%増)、親会社所有者に帰属する当期利益1,108億円(同440.4%増)。
売上高、営業利益については、精密減速機において産業用ロボットの高い需要が継続することに加え、一般産業向けも好調を維持すること、また建設機械向け油圧機器において、欧米・東南アジア市場での需要が回復すること等により、前回発表予想を上回る見込みとなった。
税引前利益については、営業利益の増加に加えて、円安に伴う為替差益等により、前回発表予想を上回る見込みとなった。なお、税引前利益に含まれるハーモニック社の持分法適用除外に伴う評価益等については、2021年12月末時点の株価を予測することが困難であるため、前回発表予想より変更していない。
親会社所有者に帰属する当期利益については、第2四半期連結累計期間におけるハーモニック社の持分法適用除外に伴う法人所得税費用の増加により、前回発表予想を下回る見込みとなった。