■第1四半期の経営成績
第1四半期(4~6月)は、新型コロナウイルス感染再拡大の状況において、ワクチン接種の進展によって感染を押さえ込んでいく中で経済活動の正常化が進み、世界経済は回復の足取りが強まった。工作機械の需要動向については、感染拡大の落ち着きに伴い、抑制されていた需要が発現する中、中国市場は堅調に推移し、続いて、米国市場、欧州市場、そして国内市場が回復に向った。
国内市場では、半導体製造装置関連からの活発な需要は継続し、自動車関連の需要にも動きが戻る等、一部で慎重さは残るものの、工作機械の需要は回復基調で推移した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
このような社会や経営環境の変化が見込まれる中、オークマグループは、これまで培ったスマートマシン、スマートマニュファクチャリング技術を土台に、自動化・無人化、工程集約、デジタル革新、ものづくりDX、脱炭素化への取り組みを進め、機械、制御、加工技術、システム構築等、エンジニアリングチェーンの全てに亘り、顧客と新たな価値を創造する「総合ものづくりサービス」を展開していく。
営業面では、国内および海外の展示会に積極的に出展すると共に、デジタル技術の活用を一段と進め、リアルとバーチャルの両面で顧客接点を強化すると共に、顧客に新たな付加価値をもたらすソリューションの提供等、提案型営業を展開し、販売拡大を図っていく。
技術面では、自動化・無人化システムの核となる独自のAI・知能化技術を搭載したスマートマシンの開発を加速していく。そして、脱炭素化への社会的な要請に応える技術・ソリューションの開発、環境配慮型製品の拡充を進めていく。
製造面では、当社製品の強みを活かした生産工程の革新を展開し、次世代製造技術による生産効率の向上を図っていく。更に本社工場、可児工場の再開発を進め、自己完結一貫生産体制の一層の強化を図っていく。
海外では、「大同大隈股份有限公司」(台湾)の生産力の強化、並びに「大隈(常州)机床有限公司」(中国・江蘇省)の生産力およびエンジニアリング力の強化を継続し、「GENOS」シリーズの売上拡大を図っていく。
調達、販売をはじめオークマの事業活動において、国家間の対立等により不確実性が増しており、サプライチェーンに対しては、グローバル調達網の再整備等のBCP対応の強化を進めるとともに、経済安全保障の観点からもリスク対応の強化を図っていく。
これらの取り組みを進めながら、脱炭素社会の実現に向けた社会的要請やデジタル革新等の経済社会の変化を捉えて、グループの成長戦略を推し進めていく。
2022年3月期連結業績予想については以下のとおり。売上高1,570億円(前期比27.2%増)、営業利益110億円(同128.2%増)、経常利益115億円(同110.8%増)、親会社株主に帰属する2020年度純利益75億円(同259.1%増)。