うち日本向け売上高は、高付加価値商品等の拡販に注力したことに加え、収益認識に関する会計基準を適用した結果、建設用クレーン・車両搭載型クレーン・高所作業車が揃って増加し、204億9千4百万円(前年同期比120.1%)となった。海外向け売上高は、需要が拡大した豪州で増加したものの、欧州や北米では本格的な需要回復に至らず減 少し、218億1千1百万円(前年同期比83.4%)となった。
第1四半期累計期間における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気は依然として厳しい状況にある中、設備投資や輸出は持ち直しの動きが続いている。海外においても、新型コロナウイルスの世界的流行の影響や点在する地政学的リスクもあり、景気は依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きが見られる。
タダノの関連業界は、日本では、大型公共工事において稼働は好調なものの、民間建築工事は低調で、全体として需要 回復には至らなかった。海外においても、各国政府の経済対策により、市場マインドは上向きつつあるものの、 地域的ばらつきが大きく、全体として本格的な需要回復には至っていない。
なお、2018年1月19日に公表した米国排ガス規制の緩和措置に関する自己申告について、2021年1月、米国当局(環境保護庁・司法省)からタダノグループによる違反とそれに伴う民事制裁金(Civil Penalty)4,050万USドルおよびその他の合意条件について提案を受けた。今後も当局と協議を続け、最終的に確定した段階において、改めて公表する。
■セグメント別状況(タダノ及び連結対象子会社の所在地別の売上高・営業利益であり、仕向地別売上高とは異なる)
1)日本
日本向け売上は、高付加価値商品等の拡販に注力したことに加え、収益認識に関する会計基準を適用した結果、建設用クレーン・車両搭載型クレーン・高所作業車が揃って増加したものの、海外向け売上は減少し、その 結果、売上高は285億9千6百万円(前年同期比101.6%)、営業利益は29億2千4百万円(前年同期比134.2 %)となった。
2)欧州
建設用クレーンの需要が減少する中、売上高は118億7千8百万円(前年同期比69.4%)、営業利益は24億2千6百万円の損失(前年同期は16億5千9百万円の営業損失)となった。
3)米州
建設用クレーンの需要が減少する中、売上高は86億4千1百万円(前年同期比75.0%)、営業利益は2億1千4百万円(前年同期比86.6%)となった。
4)その他
建設用クレーンの需要が拡大した豪州で売上が増加し、売上高は54億5千1百万円(前年同期比173.3%)、営業利益は1億9千5百万円(前年同期は8千9百万円の営業損失)となった。
■主要品目別状況
1)建設用クレーン
海外向け売上は、豪州など一部地域を除いて需要が減少し、159億7千6百万円(前年同期比77.4%)となった。
この結果、建設用クレーンの売上高は237億2千7百万円(前年同期比89.3%)となった。
2)車両搭載型クレーン
日本向け売上は、需要が増加する中、拡販に取り組み、45億3千8百万円(前年同期比115.9%)となった。 海外向け売上は、3億3千万円(前年同期比92.8%)となった。
この結果、車両搭載型クレーンの売上高は48億6千8百万円(前年同期比113.9%)となった。
3)高所作業車
高所作業車の売上高は、需要が減少する中、高付加価値商品の拡販に注力し、36億4千7百万円(前年同期比115.9%)となった。
4)その他
部品、修理、中古車等のその他の売上高は、100億6千2百万円(前年同期比109.1%)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2022年3月期連結業績は以下のとおり。売上高2,150億円(前期比15.6%増)、営業利益42億円、経常利益34億円、親会社株主に帰属する当期純利益105億円。新型コロナウイルス感染症の影響及び部品調達の遅滞、原材料価格 の高騰等、不確定な要素があるため、2021年4月28日公表済みの予想値を据え置いている。