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川崎重工、韓国の韓一現代セメント向けセメント排熱発電設備を受注

・セメント工場のエネルギー効率改善に貢献

 川崎重工業は7月20日、韓一現代セメント(韓国)より、同社の寧越(Yeongwol)工場(所在地:江原道寧越郡)向けにセメント排熱発電設備を受注したと発表した。設備は日産5,800トンのセメント製造設備2系列に設置され、出力は約22.6MWで、2022年11月の引き渡しを予定している。

 受注した設備は、セメント排熱回収ボイラ、復水式蒸気タービン、発電機等で構成され、セメント製造の焼成工程において発生する排ガスの熱を回収して高効率な発電を行う。川崎重工は、設備全体のエンジニアリング、セメント排熱回収ボイラや川崎重工製復水式蒸気タービン、制御設備等の供給、韓一現代セメントが所掌する機器の基本設計および工事・試運転の技術指導を担当する。設備の設置により、これまで利用されることなく大気中に放出されていた排ガスを有効活用して発電し、セメント工場全体の電力消費量の約30%を賄う。また、化石燃料由来の電力使用量削減により、年間約10万トンのCO2排出削減にも寄与する。

 川崎重工は、1980年に国内初のセメント排熱発電設備を納入して以来、世界のリーディングカンパニーとして国内の13件をはじめ、ドイツ、トルコ、中国、ベトナム、インド、パキスタンなどへ納入し、韓国においては技術力と信頼性を評価され、韓一現代セメントの親会社である韓一セメントのほか4件の実績を有している。

 また、関係会社も含めた川崎重工グループとしては、国内外の合計で269件の納入実績を持ち、発電出力の合計は約290万kW、CO2削減量は年間約1,600万トンに達している。

 近年、各国でセメント工場における廃棄物由来燃料(廃プラスチックなど)の利活用が盛んになっている。川崎重工のセメント排熱回収ボイラは、廃棄物由来燃料を使用するセメント工場への適合性も既に実証済み。また、川崎重工では、廃プラスチック、RPF※1(フラフを含む)、SRF※2,RDF※3、タイヤチップや各種バイオマスなどを燃料として有効利用し、高効率でクリーンな発電・熱供給を実現する内部循環流動床タイプの廃プラ・バイオマス焚きボイラ(KCFBTM)※4の技術も有しており、国内外の廃棄物発電施設や製紙工場に納入している。

 セメント排熱発電設備や廃プラ・バイオマス焚きボイラなどの省エネルギー・環境負荷低減製品に対する需要は、今後も増加していくことが期待されている。川崎重工は今後も引き続き、省エネルギー・環境保全に貢献する製品の開発・販売を積極的に展開していく。

※1 RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel):産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙および廃プラスチック類を主原料とする固形燃料

※2 SRF(Solid Recovered Fuel):廃棄物固形燃料

※3 RDF(Refuse Derived Fuel):可燃性の一般廃棄物を主原料とする固形燃料

※4 KCFB(Kawasaki Circulating Fluidized Bed Boiler):内部循環流動床ボイラ(KCFB)

 ニュースリリース

 

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