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安川電機、21年3~5月期売上は31%増の1,190億円、通期予想は18%増の4,600億円に上方修正

 ㈱安川電機が7月9日に発表した2022年2月期第1四半期(2021年3~5月)連結業績によると、売上収益は1,190億2百万円(前年同期比31.1%増)、営業利益129億44百万円(同107.9%増)、税引き前利益135億33百万円(同129.5%増)、四半期純利益101億97百万円(同122.8%増)となった。

■第1四半期の経営成績

 第1四半期における安川電機グループの経営環境は、グローバルにおいてコロナ禍からの正常化が進み、製造業全般の設備投資は力強く回復した。中国においてはニューインフラ関連の積極的な投資が継続して行われ、他の地域においても自動車・半導体・電子部品など需要は高い水準で推移した。このような環境において安川電機グループの業績は、ACサーボモータ・コントローラ事業やロボット事業を中心に旺盛な需要をグローバルで捉え、売上収益は前年同期に対し大幅に増加した。利益面については売上増加に伴う操業度の改善に加え、YDX(YASKAWA Digital Transformation)の活用などにより経費抑制を継続的に徹底したことから、営業利益は前年同期比で大きく増加した。

<地域別の経営環境>

日 本: 半導体・電子部品関連市場や自動車市場において設備投資が回復するなど、需要は堅調に推移した。

米 国: 半導体市場の設備投資が継続したほか、自動車市場や工作機械市場においても需要が増加するなど、景気は拡大基調となった。

欧 州: 経済の正常化にともなう市況の回復により、自動車や工作機械などで需要が伸長した。

中 国: 自動車や5G、新エネルギー関連をはじめとする多くの市場が国内外からの力強い需要に支えられて拡大し、製造業全般で設備投資を活発化する動きがみられた。

中国除くアジア:韓国や台湾などで半導体・液晶関連の設備投資が伸長した。

 安川電機2022年2月期第1四半期データ

■セグメント別状況

<モーションコントロール>

 売上収益 599億37百万円 (前年同期比 +35.5%)/営業損益 110億35百万円 (前年同期比 +67.7% )

 モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成されている。

 グローバルで設備投資が積極的に行われたことから、ACサーボモータ・コントローラ事業、インバータ事業ともに販売は好調に推移し、大幅な増収となった。利益面においては売上の増加により営業利益も大きく増加した。

〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 中国においてスマートフォンをはじめとする5G関連の需要が増加したほか、リチウムイオン電池や太陽光発電用パネルなど新エネルギー関連の需要が拡大した。また、日米・韓国などグローバルで半導体・電子部品需要も旺盛だったことから、販売は総じて好調に推移した。

〔インバータ事業〕 欧米での市況回復に伴う設備投資の活発化や、中国におけるインフラ投資などの伸長により、売上収益は増加した。

<ロボット>

 売上収益 406億51百万円 (前年同期比 +38.9%)/営業損益 20億53百万円 (前年同期比 +688.0% )

 ロボットセグメントの主要市場である自動車においては、中国・欧米など市場全般で設備投資は大きく回復し、EV(電気自動車)関連の需要も増加した。また、物流や食品、3C*などの一般産業分野においてもグローバルで生産の高度化・自動化を目的とした投資が行われた。

 このような需要環境に加え、半導体ロボットの販売も堅調に推移したことから、売上収益は前年同期比で大きく伸長した。利益面については、売上増加による操業度の改善に加え、製造業全般における生産活動の正常化を背景としたサービス・メンテナンス関連ビジネスの回復などもあり、営業利益は増加した。

 *3C:Computer、Communication、Consumer Electronics の3語の頭文字

<システムエンジニアリング>

 売上収益 137億32百万円 (前年同期比+14.7%)/営業損益 6億 2百万円 (前年同期比 +578.7% )

 システムエンジニアリングセグメントは、環境・社会システム事業と、産業用オートメーションドライブ事業で構成されている。

 環境・社会システム事業の売上伸長に伴い、売上収益は前年同期比で増加した。利益面においては、上下水道用電気システム関連の売上増加による採算性の改善や、セグメント全体での徹底した経費抑制の継続などにより増益となった。

〔環境・社会システム事業〕 コロナ禍からの正常化により、国内の上下水道用電気システム関連および欧州の大型風力発電用電機品の売上収益は回復基調で推移した。

〔産業用オートメーションドライブ事業〕 国内における鉄鋼プラント関連などの販売は横ばいで推移した。

<その他>

 売上収益 46億80百万円 (前年同期比 △12.2%)/営業損益 1億41百万円 (前年同期比 2億12百万円改善)

 その他セグメントは、物流サービス事業などで構成されている。

 売上収益は国内を中心に前年同期から減少した一方、営業利益は製品構成の改善などにより増加した。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 安川電機を取り巻く環境は、グローバルにおいてコロナ禍からの正常化が進み、製造業全般の設備投資は力強い回復が見られている。中国においては自動車を始め、ニューインフラ関連や3Cなど幅広い市場で積極的な投資が継続して行われ、他の地域においても自動車・半導体・電子部品などを中心に需要が高い水準で推移している。これにより、主力事業であるモーションコントロール事業とロボット事業において想定以上の受注が続いていることから、2021年4月9日に公表した2022年2月期通期連結業績予想を下記の通り修正した。

 売上収益4,600億円(前期比18.0%増)、営業利益540億円(同98.7%増)、税引前利益 555億円(同104.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益410億円(同116.6%増)。

 また、これを踏まえて安川電機グループの経営状況を総合的に勘案し、2022年2月期中間および期末の配当予想を20円から26円に修正した。この結果、1株当たりの年間配当予想は、前期比28円増配の52円となる。

 なお、2021年6月1日から2022年2月28日までの期間における平均為替レートは、米ドル、ユーロ、韓国ウォンを期初計画から見直し、1ドル=110.0円から109.0円、1ユーロ=130.0円から131.0円、1ウォン=0.096円から0.097円、中国人民元は期初計画のとおり、1元=16.80円を想定している。

 安川電機の2022年2月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算補足説明資料

 

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