㈱安川電機は6月23日、国立大学法人九州大学(本部:福岡県福岡市)と、これまで産業用ロボットの制御技術の開発などプロジェクトごとにテーマ設定してきた関係を加速するべく、共同研究に留まらずより広い範囲でのシナジー創出に向けて包括的に連携していくことで合意したと発表した。
安川電機を取り巻く製造業の現場では、少子高齢化による深刻な人手不足や熟練技能者の高齢化が進んでいることから、多品種変量生産やIoT・AIを活用した革新的な生産性の向上へのニーズが急速に高まっている。こうした課題に対して安川電機グループでは、長期経営計画「2025年ビジョン」において、100年の技術の蓄積を活かして、工場の自動化/最適化におけるビジネス拡充とメカトロニクスの応用領域でのビジネス創出を掲げている。さらに中期経営計画「Challenge 25 plus」では、オープンイノベーションを通じた食品や農業、医療など新たな技術・事業領域の開拓を掲げ、持続可能な社会の実現に向けた新領域への展開を図っている。
これらの経営計画を実現する一環として2021年3月には本社地区において安川グループの開発と生産技術の機能を集約した安川テクノロジーセンタを開設している。
一方、連携する九州大学は、九州を代表する総合大学であり、工学部をはじめ、農学、医学、経済学・教育学といった幅広い学部を有し、地域連携や産学連携にも力を注がれている。産学連携の強化を図っていこうとする安川電機としても連携できる分野が非常に多くある。安川電機で研究開発を進めていく中で、こういった専門性をもった学生を抱える研究室と共同で研究することで、社会で役立つより実用化に近い技術開発をより速く行っていけることを期待している。
九州に根ざして100年を超える大学と企業が、将来を見据えた包括的な提携を行い、最先端の技術開発、異分野での連携、人材の育成など、幅広い活動で共に持続的な成長と双方にとってプラスとなる関係を築き、グローバルな発展と地域貢献の実現に加えお互いのビジョンの実現を目指していく。