新明和工業は6月11日、タイ・バンコクにおいて、タイの公的機関であるCouncil of Engineers Thailand (タイ・エンジニア委員会、以下、COET)*が新たに建設する施設(工事名:「Council of Engineers Project」)内に設置するエレベータ方式駐車設備「エレパーク®」を受注したと発表した。
*COET:同国のエンジニア法によって設立された団体で、専門技術者の登録や専門技術職の資格認定制度等を運用している公的機関。
今回の受注は、敷地面積が狭く、かつ高さ制限のある厳しい条件下において、車両収容台数68台の機械式駐車設備を設置するという要求に対して4社が名乗りを上げた中、最終技術プロポーザルにおいて、新明和工業の技術力・品質、顧客目線での提案や、新明和工業と共同で提案活動を行った現地販売代理店であり、据付工事とアフターサービスを担うGENERAL AUTOMATIC CARS PARKING SYSTEM CO., LTD. (以下、G-PARK社)の実績等が評価され、選定に至った。設備の完成は、2022年3月を予定している。
今回採用された駐車設備は、狭小地に対して台数の異なる縦列タイプ2ユニット(エレパーク4基)を効率的に配置し、また、高さ制限をクリアしつつも、可能な限り車高の高いクルマを収容するため、駐車棚のピッチを細やかに設計することで条件を満たした。更に、新明和工業「エレパーク®」の安全性や信頼性、利用者目線の使い勝手、また、入出庫時の車両の導線計画や円滑性が高い評価を得た結果、今回の受注につながった。
COETのようなタイの公的技術系機関において、G-PARK社および新明和工業の提案力や技術力、さらには製品力や日本での実績が認められたことは、今後タイにおいて2社が連携して機械式駐車設備事業を拡大していくうえで大変意義あることと同社は考えている。2022年3月の完成に向け、COETの期待に応える駐車設備を納入すべく、G-PARK社とともに英知を結集して取り組んでいく。
なお、今年3月には、日系ホテルチェーンがバンコクで展開されているホテルプロジェクト向けにもエレパーク2基の受注を獲得しており、来場・宿泊者向け駐車場として2023年4月に完成予定。
同プロジェクトでは、建物の高さ制限に適合し、かつ、52台の駐車台数を確保するために中間乗入式を提案。縦列タイプの「エレパーク®」がもつ収容効率の高さを生かした仕様となっている。
新明和工業は、日本国内でタワー型の機械式駐車設備を含む大型機の機械式駐車設備でトップシェアを誇り、近年はタイを海外戦略地域と定めて営業活動を展開している。今回の2件の受注獲得により、今年5月末現在、タイにおいて進行中の案件は、4プロジェクト(エレパーク9基)となった。今後もこれらの受注実績をもとに市場での認知度向上に努め、機械式駐車設備の受注規模拡大と、タイにおける駐車場インフラの整備・発展に注力していく。
<受注概要>
プロジェクト名:Council of Engineers Project
製品:エレベータ方式駐車設備「エレパーク®」 4基
仕様:
(1)独立鉄塔型・下部乗入方式
自走縦列設置タイプ(EW型)2ユニット
(2)収容台数:ミドルルーフ車40台+28台 計68台
(3)付加仕様
・フラットタイプ車路パレット
・ピット内冠水対策
外壁:鋼板パネル+一部ガラス
受注:2021年4月
完成予定:2022年3月
プロジェクト名:Bangkok S Hotel Project(仮称)
製品:エレベータ方式駐車設備「エレパーク®」 2基
仕様:
(1)ビル内鉄塔型・中間乗入方式
自走縦列設置タイプ(EMW型)1ユニット
(2)収容台数:セダン48台、ハイルーフ車4台 計52台
(3)付加仕様
・ピット内冠水対策
受注:2021年3月
完成予定:2023年4月