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三井海洋開発、エクイノール社ブラジル沖合プレソルト層バカリャウ鉱区向けFPSO建造プロジェクトが正式契約発効

 三井海洋開発(本社:東京都中央区)は6月3日、北欧最大のエネルギー企業であるEquinor ASA(以下「エクイノール社」、本社:ノルウェー・スタヴァンゲル)より、ブラジル沖合Bacalhau(バカリャウ)鉱区向けFPSO(Floating Production, Storage & Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)を2020年1月に受注していたが、6月1日にエクイノール社がFID(Final Inves(TM)ent Decision:最終投資決定)を行ったことに伴い、このほど同プロジェクトのEPCI(Engineering, Procurement, Construction and Installation:設計から機器購入、建造、据付までの一括工事)契約が正式に契約発効する運びとなったと発表した。

 同FPSOは、BM-S-8ブロック、及びCarcara North(◇)(カラカラ・ノース)ブロック内に位置し、エクイノール社がオペレーターを務め、ExxonMobil社、Petrogal Brasil社、及びPre-sal Petroleo SA社が参画するバカリャウ鉱区の開発プロジェクトに用いられる。Santos(サントス)海盆内のバカリャウ鉱区は、海底下約5,000mのプレソルト層(岩塩層直下の層)にある海底油田の一部。

 三井海洋開発は、同FPSOのEPCIを請け負い、2024年に予定される原油及びガスの生産開始に向け、エクイノール社に本FPSOを引き渡すと共に、その後1年のオペレーション&メンテナンス(運転・保守点検)サービスを同社に対して提供する予定。なお、三井海洋開発によるサービス提供終了後は、鉱区開発権の存続期間が満了する2053年までエクイノール社が、本FPSOのオペレーション&メンテナンスを行う予定。

 バカリャウ鉱区向けFPSOについては、2018年12月から三井海洋開発を含む2社がPre-FEED(Pre-Front End Engineering Design:概念設計)業務を遂行したが、三井海洋開発の設計の技術的優位性及び経済性が評価され、その後の2020年1月に三井海洋開発とエクイノール社の間で実基に係る売買契約が締結されていた。

 日量22万バレルの原油生産能力、日量530百万立方フィートのガス生産能力、日量20万バレルの水圧入能力、200万バレルの原油貯蔵能力を持つ本FPSOは、三井海洋開発米国子会社のSOFEC社が設計・納入するSpread Mooring(スプレッド・ムアリング:多点係留)と呼ばれる係留設備で、サンパウロ州沖合約185km、水深約2,050mの海上に係留される。

 近年、海洋石油・ガス開発プロジェクトの大規模化、大水深海域への移行に伴い、FPSOの大型化、及び複雑化が進んでいる。特にブラジル沖合のプロジェクト向けには、大型で複雑なFPSOが数多く投入されているが、同FPSOは、その中でも最大級の原油及びガスの生産能力を持つ設備となる。

 また、同FPSOは、三井海洋開発と最新鋭の造船設備及び技術を有する中国の大連船舶重工集団有限公司(DSIC)が共同開発した「M350(TM)」を初めて適用するプロジェクトとなる。広い甲板面積を主な特長とする船体の採用により、同FPSOに要求される非常に高い原油及びガスの生産能力により複雑で大型になったトップサイド(搭載する生産設備)への対応が可能になった。

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