2020年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、個人消費や企業活動が急激に停滞し、一時、回復の兆しがみられたものの、感染の再拡大により、依然として厳しい状況で推移している。世界経済においても、回復基調は見られるものの、新型コロナウイルス感染症の世界的収束の目途は見えず、先行き不透明な状況となっている。
油研工業グループでは、中長期の持続的な成長を目指す取り組みとして、3ヵ年計画の中期経営計画「3GAction2021 ~Challenge the Next Stage~ 」を2019年度よりスタートさせ、この期間を次の10年に向けた更なる飛躍のための成長フェーズとして位置づけ、海外展開の着実な推進とグループ総合力を活かした生産力の強化に取り組んでいる。具体的には、①今後、旺盛な油圧需要の捕捉が期待できるインド、北米、東南アジア地域での拡販体制の確立と戦略製品の開発、②日本およびインド、台湾、中国の海外生産拠点の連携強化によるグローバルな最適生産体制の構築などを通じて、油研工業グループとしての競争力を一層強化し、環境変化の中でも利益成長できる油圧総合メーカグループを目指していく。
■今後の見通し
2022年3月期の見通しについては、売上高275億円(前期比19.0%増)、営業利益14億円(同127.0%増)、経常利益13億円(同45.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億円(同22.8%増)を予想している。
新型コロナウイルス感染拡大の影響については、今後の感染拡大の状況や収束時期を判断することは、不確実性が大きく非常に困難であるが、油研工業グループでは、感染防止対策を行いつつ、ほぼ通常稼働しており、事業活動への影響は限定的であり、油研工業グループの事業に著しい影響を与えるものではないと仮定している。