売上高の減少による経常損失に加え、2020年7月に開業したホテルについても新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け厳しい業績となり、減損損失7億4百万円を計上した。また、新型コロナウイルス感染症のワクチン普及等により2022年3月期第2四半期以降、国内需要の回復を見込んでいるが、その可能性については不透明さが拭えないことから繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額を29億4千1百万円計上した。なお、非連結子会社であった三陽電器㈱は重要性が増したことにより2020年度より連結の範囲に含めている。
■2020年度経営成績の概況
2020年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受け、各自治体からの外出および営業自粛要請もあり、個人消費を含め経済活動全般が停滞した。その結果、国内の建設機械の需要は減少した。欧米では国内同様に需要が減少した。中国では中国政府の景気刺激策もあり需要の増加が見られたものの、競合である現地メーカーとの販売競争は厳しさを増し、建設機械全体では厳しい状況が継続した。
このような状況下、加藤製作所グループでは国内外における需要の減少に対応するため生産調整による在庫調整に加え、経費削減策を推進するなど業績改善に努めてきたが、2020年度の成績は厳しい結果となった。
■セグメント別の状況
< 日本>
日本の売上高は512億7千7百万円(前年同期比76.5%)。セグメント損失は25億1千1百万円(前年同期はセグメント損失13億5百万円)となった。
< 中国>
中国においては、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑制し、また、中国政府の景気刺激策もあり需要は増加した。しかしながら現地メーカーによる販売価格の引き下げに苦戦を強いられ売上高は減少した。
< その他>
その他は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により欧州を中心に依然として厳しい状況が続いている。その他の売上高は29億4千1百万円(前年同期比59.8%)となった。セグメント損失は10億6千3百万円(前年同期はセグメント損失6億4千4百万円)となった。
■主要品目別売上高の状況
< 建設用クレーン>
海外においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により各地域で需要は減少した。海外建設用クレーンの売上高は44億5千3百万円(前年同期比86.5%)となった。よって、建設用クレーンの売上高は347億7千3百万円(前年同期比72.7%)となった。
< 油圧ショベル等>
国内においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により建設用クレーンと同様に需要は減少した。
国内油圧ショベル等の売上高は106億8千2百万円(前年同期比87.2%)となった。海外においては、新型コロナウイルス感染症拡大を抑えた中国では、景気刺激策もあり需要は増加した。しかしながら現地メーカーよる販売価格の引き下げに苦戦を強いられ売上高は減少した。欧州では新型コロナウイルス感染症拡大の 影響で売上高は大幅に減少した。海外油圧ショベル等の売上高は114億5千9百万円(前年同期比68.3%)となった。よって、油圧ショベル等の売上高は221億4千2百万円(前年同期比76.3%)となった。
<その他>
その他は国内のみで、売上高は16億4百万円(前年同期比152.6%)となった。
■2022年3月期連結業績予想について
2022年3月期の連結業績予想については、現時点では合理的な算定・予想を行うことができないため、記載していない。