第1四半期の連結受注額は1,014億円、前年同期比29.5%増と、期初想定の850億円を大幅に上回った。その結果、四半期末の機械本体受注残高は、前年度末比280億円増の1,240億円となった。1台当たりの受注平均単価は、前年度第4四半期にかけて一時的に低下したが、当期に入り、5軸加工機の需要増、大型自動化案件の増加およびデジタル化などの価値提案の向上により、再び上昇基調にある。また、修理復旧・補修部品事業の受注も、顧客の生産活動の回復を反映して、前年同期比6%増となった。
産業別の受注は、引き続き半導体製造装置関連、金型、SMEsが堅調に推移しており、また、自動車向けも回復してた。一方、民間航空機関連向けの需要は引き続き弱含みの展開となっている。
経営理念にも掲げているとおり、工作機械・独自領域・内製コンポーネント・周辺機器などのハードウエア及びソフトウエアと、加工システムの構築・高効率な加工プロセスの提案・保守保全・ファイナンスなどのサービスを組み合わせた最善の加工オートメーションを提供し、顧客の生産性向上に貢献することを、DMG森精機は目指している。
中国では、大型の工作機械と搬送装置を組み合わせた自動化システムの需要が高まっている。中国国内での生産能力を増強するため、2013年10月に開設した中国・天津工場の敷地内に、工場建屋の増設を予定している。
また、上海近郊の平湖に新工場建設を予定しています。これらの新工場では、工作機械と自動化システム、主要ユニット部品の組立・製造を行う。生産能力の増強により、中国国内の顧客が求める製品を、適切な納期で届けられるようになる。中国国内に限らず、納期の最適化、輸送の効率化に加え、多様な要望に対して迅速な対応を行うことで、今後とも顧客の生産性向上に貢献していく。
様々な産業の顧客の生産性向上を実現するという、DMG森精機の事業活動そのものが社会貢献につながると、DMG森精機では考えている。あらゆる機械や部品、また工作機械自身も工作機械によって作られる。工作機械の母性原理から、工作機械精度の向上は他のあらゆる産業にその影響が波及する。また、工作機械のエネルギー消費を削減することで、様々な産業のカーボンフットプリントを削減することができる。今後も工作機械の精度改善や省エネルギー化が、CO₂排出量の削減や循環型社会の実現など様々な社会的課題の解決につながると考え継続して取り組んでいく。
また、脱炭素社会や資源循環型の社会に向けた取組みを、DMG森精機では製品製造の過程でも行っている。さらに、自社の事業活動により削減できないCO₂排出量に関しても、国際的に認定された持続可能な気候保護プロジェクトへ出資することでオフセット処理している。その結果、全製品の部品調達から製品出荷までの工程においてカーボンニュートラルを、2021年にグローバルで達成いたした。DMG森精機のCO₂排出量算定とオフセット処理については、第三者機関の監査を受け、同機関より保証を得ている。環境に配慮した製品の提供を通じた顧客工場でのCO₂削減だけでなく、自社でもCO₂削減活動を行い、グループ一丸となって今後ともカーボンニュートラルの実現に取り組んでいく。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021年12月期の連結業績予想については、2021年2月12日に公表した通期の連結業績予想から、中国をはじめとする世界的な受注の回復を背景として、売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益を下記のとおり上方修正した。
売上収益3,450億円(前回予想3,300)、営業利益140億円(110億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益60億円(40億円)。
2021年1月~12月の為替レートは、米ドルレート105.0円、ユーロレート125.0円と想定している。なお、2020年1月~12月のユーロ建表示は、同期間の期中平均レート121.8円で換算している。