連結の利益項目については、調整後営業利益は、売上収益の減少や売上原価率の上昇、為替の円高影響等により、327億1千万円(同△57.3%)、親会社株主に帰属する当期利益は、調整後営業利益の減少に加え、主として海外拠点関連会社の持分法による投資損益の減少、非支配持分損益の拠出増が影響し、103億4千万円(同△74.9%)となった。
■セグメント業績
①建設機械ビジネス
2020年度における油圧ショベル需要は、欧米等の先進国市場においては新型コロナウイルスの影響で前年度を下回った一方、主に中国での大幅な回復により全体では前年度を上回った。また、マイニング機械は鉱山会社による設備投資の抑制が続いており、特に中小規模鉱山会社からの需要が減少した。
調整後営業利益は、売上収益の減少や為替の円高影響等により、257億9千8百万円(同
△62.4%)となった。
②ソリューションビジネス
2020年度の売上収益は、需要減少を受け、824億3千7百万円(同△10.4%)となった。調整後営業利益は、売上収益の減少により、69億1千2百万円(同△14.6%)となった。
なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値。
■今後の見通し
マイニング機械においては、新車の需要は足元では厳しい状況が続いているが、一部地域で回復の兆しが見え、2021年度の後半から少しずつ好転するものと見込んでいる。新型コロナウイルスの影響下で鉱山の操業は一部地域では稼働停止となった現場があり、これに伴い日立建機の部品サービス事業やソリューションビジネスも減少傾向で推移していたが、世界景気の回復に伴い鉱山の投資意欲も徐々に回復するものと見ている。
以上の市況予測を踏まえ、2022年3月期連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)は、現時点のさまざまな懸念材料を勘案し、下記のとおりとした。
売上収益8,800億円(前期比8.2%増)、調整後営業利益620億円(同89.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益323億円(同212.4%増)。
業績見通しの前提となる為替レートについては、米ドル105円、ユーロ125円、人民元15.5円、豪ドル73円を想定している。