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安川電機、21年2月期売上収益は3,897億円、次期見通しは10.3%増の4,300億円

 ㈱安川電機が4月9日に発表した2021年2月期(2020年3月1日~2021年2月28日、2020年度)連結業績によると、売上収益は3,897億12百万円(前年度比5.2%減)、営業利益271億80百万円(同12.3%増)、親会社の所有者に帰属する2020年度利益189億27百万円(同21.5%増)となった。

■2021年2月期の経営成績

 2021年2月期(2020年度)における安川電機グループの経営環境は、上期を中心に世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、製造業全般で設備投資が抑制された。しか、中国においては生産活動の正常化がいち早く進み、ニューインフラ関連の投資が積極的に行われたほか、期末にかけて自動車・半導体市場を中心にグローバルで需要が回復するなど、設備投資を拡大する動きがみられた。

 利益面においては売上減少による影響を受けたものの、経費削減の徹底などにより収益性は改善し、営業利益は前年同期比で増加した。

■地域別の経営環境

日本:上期を中心に製造業全般で設備投資を抑制する動きが続いたものの、期末にかけて自動車や半導体・電子部品関連市場が回復した。

米国:半導体市場の設備投資が継続し、自動車市場も期末にかけて回復基調に転じたが、通期ではオイル・ガス関連を中心に需要は低調に推移した。

欧州:上期を中心に需要は低迷したが、期末にかけて経済の正常化が進み、自動車をはじめ製造業全般で設備投資を再開する動きがみられた。

中国:製造業全般で生産活動の正常化がいち早く進み、5Gや新エネルギー関連などへの投資が積極的に行われた。また、自動車市場においても下期にかけてメーカ各社が設備投資を拡大する動きがみられた。

中国除くアジア:アセアンを中心に自動車市場などで設備投資を抑制する動きが継続した一方、韓国や台湾などで半導体・液晶関連の設備投資が期末にかけて急回復した。

 安川電機2021年2月期データ

■セグメント別の状況

<モーションコントロール>

 売上収益1,760億14百万円 (前期比△2.5%)、営業損益 245億76百万円 (同+19.6%)

 モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成されている。

 ACサーボモータ・コントローラ事業においては中国・アジアの売上が増加した一方、インバータ事業では米国を中心に販売が伸び悩んだ。この結果、セグメント全体では前年同期比で僅かに減収となったが、中国の売上伸長に伴う収益性の改善や各地域における経費抑制の効果により営業利益は増加した。

〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕

 中国において5Gや新エネルギーなどニューインフラ関連の需要増加により売上が伸長したことに加え、グローバルでスマートフォンやデータセンタ向けなどの半導体・電子部品需要が旺盛だったことから、販売は堅調に推移した。

〔インバータ事業〕

 期末にかけて受注は回復基調にあるものの、米国のオイル・ガス市場が大きく落ち込んだことから、売上は減少した。

<ロボット>

 売上収益1,394億94百万円 (前期比 △8.3%)、営業損益69億7百万円 (前期比+6.2%)

 ロボットセグメントの主要市場である自動車では、期末にかけてグローバルで設備投資が回復したものの、上期において新型コロナウイルスの影響を大きく受け売上は伸び悩みました。その一方で半導体ロボットの販売が堅調に推移したほか、一般産業分野においても中国を中心に自動化ニーズの拡大を背景とした設備投資の動きがみられました。

 利益面では自動車市場の回復に加え経費削減に努めたことから、営業利益は前期比で増加した。

<システムエンジニアリング>

 売上収益507億63百万円 (前期比△8.6%)、営業損益 △10億30百万円 (前期比14億99百万円悪化)

 システムエンジニアリングセグメントは、環境・社会システム事業と、産業用オートメーションドライブ事業で構成されている。

 セグメント全体の売上収益は国内を中心に前年同期比で減少した。利益面においては構造改革などにより収益性の改善に努めたが、期末に一時的な製品改修コストの引き当てを行ったことから、営業利益は前年同期比で減少した。

〔環境・社会システム事業〕

 太陽光発電用パワーコンディショナの販売が伸び悩んだ一方、大型風力発電用電機品および上下水道用電気システム関連の売上は堅調に推移した。

〔産業用オートメーションドライブ事業〕

 鉄鋼プラント関連は、国内での設備投資延期の影響を受け、売上が伸び悩んだ。

<その他>

 売上収益 234億40百万円 (前年同期比+2.8% )、営業損益3億1百万円 (前期比3億21百万円改善)

 その他セグメントは、物流サービス事業などで構成されている。前期に対し、売上収益は回復し、営業利益は経費抑制などにより改善した。

■2022年2月期業績予想

 需要動向は、新型コロナウイルス感染拡大の長期化により先行きに不透明感はあるものの、グローバルで着実な回復が見られることを想定。取り巻く市場環境としては、5GやAIの普及に伴う通信・産業の高度化を背景にグローバルでの半導体および電子部品関連の需要拡大、世界的なEV化の加速をはじめ自動車関連需要の持ち直し等により、主力事業であるACサーボ、ロボットを中心に着実な回復が予想される。

 2022年2月期(2021年3月1日~2022年2月28日)連結業績予想は、売上収益4,300億円(前期比10.3%増)、営業利益420億円(同54.5%増)、税引前利益 433億円(同59.4%増)、親会社の所有者に帰属する2020年度利益317億円(同67.5%増)。

 為替レートは、110円/米ドル、130円/ユーロ、16.8円/元、0.096円/ウォンを想定している。

 安川電機2021年2月期決算短信

 2020年度通期業績概要

 中期経営計画の見直しについて

 中期経営計画

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