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三菱ケミカル、伊CPC社で炭素繊維関連の設備投資を実施

 三菱ケミカルは4月6日、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)自動車部品製造販売会社である、関係会社のC.P.C. SRL(本社:イタリア・モデナ市、以下、CPC社)において、世界最大級となる5,000トン容量大型プレス成形機の増設を含む設備投資を決定したと発表した。三菱ケミカルのグループ会社であるMitsubishi Chemical Advanced Materials AG(本社:スイス・チューリッヒ)がCPC社に投資を行い、2023年中の設備稼働を目指している。

 航空機や自動車などのモビリティ用途では、CASE対応・環境規制等を背景に従来にも増して機体/車体の軽量化への要求が高まっており、軽さと強度を兼ね備えるCFRPの利用が加速すると見込まれている。また、自動運転車や空飛ぶ車などの次世代モビリティの分野では、従来の思想にとらわれない新しいコンセプトによる車体設計が進められており、軽量かつ成形性に優れたCFRPへの注目がますます高まる傾向にある。

 CFRPの成形・加工・塗装・組立てにわたる一貫生産能力を有するCPC社は、設計・シミュレーション技術を活用した部品・車両の軽量化ノウハウを合わせ持ち、主に高級自動車向けのCFRP成型品メーカーとして事業を拡大してきた。

 三菱ケミカルグループは、ドイツのプリプレグ(※1)メーカーc-m-p社や炭素繊維リサイクル企業 CarboNXT社の買収、CPC社隣接地へのCF-SMC(Sheet Molding Compound)(※2)製造設備の建設など、自動車技術で最先端を行く欧州において、サステイナビリティにも配慮した材料のサプライチェーン確立を進めている。

 今回の投資では、大型プレス成型機を増強し、複雑形状のシャーシーなど成形の難しい大型構造体の成形能力を約3倍に引き上げるほか、最新鋭のCFRP加工機、自動塗装ラインを有する塗装工場や組立てラインを増強する。これにより欧州におけるサプライチェーンを強化し、電気自動車や次世代モビリティ用途でさらに高まるCFRP製品に対する需要に対応していく。

 三菱ケミカルグループは今後も、日・米・欧の炭素繊維・中間材の材料開発・生産拠点と、高い設計提案力と成型加工能力を有するCPC社など、グループの総合力を発揮して技術革新の著しいモビリティ分野に対して最適なソリューションをタイムリーに提供すべく、積極的に事業を展開していく。

※1 樹脂を含浸させたシート状の炭素繊維中間基材

※2 長さ数センチメートルにカットした炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状のCFRP中間基材。

 ニュースリリース

 

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