・安全性と施工性の向上を実現
■開発の背景
一般に、山岳トンネルの連続ベルトコンベヤ方式によるずり出し作業は、発破により破砕した掘削ずりをホイールローダで集積し、切羽後方に設置したクラッシャーに投入する。投入したずりはクラッシャーにてベルトコンベヤで運搬可能な大きさまで破砕した後に、後方の連続ベルトコンベヤに載せ替えて、トンネル坑外の仮設ヤードまで搬出する。
従来のクラッシャーへの掘削ずり投入においては、掘削ずりの破砕状況に応じてクラッシャーの運転を調整管理する監視員を配置することが多く、監視員の安全確保や破砕粉塵による健康被害などの懸念があった。
■システムの特長
「移動式クラッシャー遠隔操作システム」は、ホイールローダの運転席に設置されたタブレット型PC(写真2)により、移動式クラッシャーの遠隔操作を可能としたシステム。
タブレットはカメラによる映像取得と、移動式クラッシャーの一連の操作を行うことが可能。ホイールローダの運転手は、掘削ずりの破砕状況をカメラ映像で確認しながら、状況に合わせて移動式クラッシャーの動作調整を行い投入することが可能なので、ずり投入作業が容易になる。また、移動式クラッシャー上に破砕状況の監視・機器操作を行う作業員を配置する必要が無いため、ずり搬出のさらなる省力化・安全性向上に貢献する。
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