住友商事は3月31日、住友商事東北(本社:宮城県仙台市)と共に出資する仙台港バイオマスパワー合同会社を通じ、宮城県仙台市においてバイオマス専焼火力発電所の建設工事に着手したと発表した。
発電所は、仙台市宮城野区にある仙台塩釜港内の工業用地(約3.4ヘクタール)に位置している。発電容量は112メガワットで、約26万世帯相当の電力供給が可能。バイオマス燃料は、住友商事が調達する国際的な森林認証制度により認証を取得した輸入木質ペレットに加え、国内材も積極的に活用していく。総事業費は約900億円で、2025年10月に商業運転を開始する予定。
2020年12月に政府が発表したグリーン成長戦略では、2050年の脱炭素社会実現に向け、発電量における再生可能エネルギーの割合を50~60パーセントに引き上げることが目安として示されている。これを踏まえ、日本のエネルギー政策の土台である第5次エネルギー基本計画は2021年内に改定される見通し。国内における導入拡大が喫緊の課題となっている再生可能エネルギーの中でも、バイオマス発電は24時間稼働するベースロード電源に分類され、安定した電力供給が強み。
住友商事は、気候変動問題への対応として、2050年までに住友商事グループの事業活動におけるカーボンニュートラル化を目指している。発電事業についても、2035年を目途に、再生可能エネルギーを持分発電容量ベースで30パーセント以上へ引き上げる方針。
バイオマス発電については、100パーセント子会社のサミットエナジー㈱を通じて、国内3カ所でバイオマス発電所(新潟県糸魚川バイオマス発電所:50メガワット、愛知県半田バイオマス発電所:75メガワット、山形県酒田バイオマス発電所:50メガワット)の開発実績を有している。これらの事業を通じて培ってきたバイオマス発電事業に関する豊富な経験を生かし、同発電所の建設を推進することで、東北地方への安定した再生可能エネルギーによる電力供給を目指す。
住友商事は、今後も再生可能エネルギービジネスを通じ、脱炭素社会の実現へ貢献していく。