・仏ケオリス社、三菱商事の3社で新事業会社設立へ
・MHIENGが海外における都市軌道交通の運行事業へ初参画、2021年9月に事業を開始
・システムや車両を手掛けたMHIENGおよび三菱商事の実績と、ケオリス社の公共交通事業運営ノウハウを融合
三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(MHIENG、本社:横浜市西区)は3月23日、フランス国有鉄道(SNCF)グループのケオリス社(KEOLIS SA)および三菱商事とコンソーシアムを組み、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国にある全自動無人運転鉄道システム(注1)「ドバイメトロ」の運行・保守および路面電車「ドバイトラム」の運行に関する事業権を取得し、同国道路交通局(RTA)との間で契約を締結したと発表した。海外における都市軌道交通(注2)の運行へ参画するのはMHIENGとしては初めて。今後、3社で事業会社「Keolis MHI Rail Management and Operation LLC」(出資比率:KEOLIS 70%、MHIENG 25%、三菱商事 5%)を設立した後、現行の運行・保守事業者からの移管を経て、2021年9月から事業を開始する。契約期間は最長15年(9年プラスオプション最長6年)。
MHIENGは、これまで積み重ねてきた確かな技術と豊富なEPC取りまとめ実績を生かし、交通分野での新事業領域としてデジタル化・AI化技術による多様な製品や技術のシステム化を行うことで、顧客にとって付加価値の高い運行・保守サービスを提供し、事業権参入を含めたアフターサービス事業のさらなる展開をはかっていく。
1レール上を車両が完全自動走行する鉄輪方式を採用した新交通システムで、走行区間が長く、輸送人員が多い地域での移動用として多く利用されている。
2新幹線や都市間鉄道と区別し、大都市における地下鉄などの軌道系交通システムのことを指す。
3電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ターミナル間および空港周辺施設への移動用として世界各地で利用されている。ゴムタイヤ方式を採用しているため、走行が滑らかでかつ低騒音であるのが特徴。
■対象路線について
路線名:ドバイメトロ / ドバイトラム
路線概要:2路線、全長90km、53駅 / 全長10.6km、全11駅
編成数:129編成 /11編成
乗客数:年間約2.1億人
■ケオリス社について
公共交通運行事業のパイオニアであるケオリス社は、公共交通システムの強化を検討している公的機関と協力し、地域の魅力と活力を高める事業を行っている。無人運転のメトロおよびトラムの運行における世界的リーダーである同社と、そのグループ会社であるKisio、EFFIA、Keolis Santé、Cykleoは、電車、バス、長距離バス、トローリーバス、カーシェアリング、定期船、自転車シェアリング、自動運転ケーブルカーなどといった交通手段の運行に対し、先進的かつ最適なソリューションを提供している。このうち、EFFIAはフランス第2位の駐車場サービスプロバイダーであり、Keolis Santé は2017年7月の創設以来フランスにおける医療輸送サービスプロバイダーのトップ。ケオリスグループの株主は、SNCFが70%、ケベック州貯蓄投資公社が30%であり、世界15か国*の68,500人が同グループで働いている。2019年の売上高は66億ユーロで、34億人の乗客がサービスを利用した。
詳しくはケオリスグループのウェブサイトwww.keolis.comを参照。
*オーストラリア、ベルギー、カナダ、中国、デンマーク、フランス、ドイツ、インド、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、カタール、セネガル、スウェーデン、英国、米国