旭化成(本社:東京都千代田区)は3月16日、リチウムイオン二次電池(LIB)用セパレータ「ハイポア(TM)」の生産能力増強を決定したと発表した。
LIB用セパレータは、LIBの正極・負極間に位置する多孔質膜で、正極・負極間でリチウムイオンを透過させる機能を有するとともに、正極と負極の接触を遮断し、ショートを防止する部材。
LIB市場は、電気自動車等の車載用途を中心に急速に成長している。旭化成グループは、LIB用セパレータとして「ハイポア(TM)」と「セルガード(TM)」を有し、湿式膜と乾式膜の双方を手がけるメーカーとしてグローバルリーディングポジションを確立している。現在、湿式膜は滋賀県守山市および宮崎県日向市に、乾式膜は米国ノースカロライナ州に生産拠点を置き、環境に配慮した積極的な事業拡大を図っている。
旭化成グループのLIB用セパレータの生産能力は、今回の増強により湿式膜が約13.5億m2/年、乾式膜が約5.5億m2/年、合計約19億m2/年となる。今後も需要の伸びに合わせて積極的な能力増強を行い、顧客の要求に応えていく。
<能力増強の概要>
設備投資額:約300億円
立地:宮崎県日向市 (既存工場敷地内)
生産品目:LIB用セパレータ「ハイポア(TM)」
生産能力:約3.5億m2/年
稼働時期:2023年度上期商業運転開始予定