kikai-news.net

国際協力銀行(JBIC)、英国Hornsea1海底送電事業に対するプロジェクトファイナンス

・日本企業による脱炭素社会に向けた海外事業展開を支援

 国際協力銀行(JBIC)は3月3日、2日に三菱商事及び中部電力が出資する英国法人Diamond Transmission Partners Hornsea One Limited(以下、DTPH1)との間で、同国Hornsea1洋上風力発電所向け海底送電事業を対象として、融資金額約549百万ポンド(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス による貸付契約を締結したと発表した。融資は、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、新生銀行、農林中央金庫、日本生命保険等との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は約1,101百万ポンド。

 プロジェクトは、DTPH1が、英国南東部のヨークシャー沖合120kmにおいて、総発電容量1,218MWの送変電設備を所有・運営し、25年に亘り、洋上風力発電所にて発電される電力をグレートブリテン島まで送電する。この案件は、JBIC初となる送電セクター事業向けプロジェクトファイナンスとなる。

 日本政府は、2020年12月に策定した「インフラシステム海外展開戦略2025」において、世界的なエネルギー転換・脱炭素化に向け、技術的優位性等を持つ我が国企業を支援することを表明している。また、再生可能エネルギー関連の海外投資に対して公的金融制度を積極的に活用する方針を掲げている。加えて、2018年7月に日本政府が発表した「エネルギー基本計画」において、政策金融を活用した事業における日本のユーティリティ企業等の参入促進を通じたエネルギー産業の国際競争力強化及び国際展開の推進が掲げられている。この融資はこうした政府の施策に沿うものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期に亘り運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献する。

 英国政府は、2019年に気候変動法を改正し、2050年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロにする法定目標を掲げ、再生可能エネルギーの導入を推進している。同プロジェクトは、こうした同国政府のエネルギー政策に沿うもの。また、同事業で得られた洋上風力発電所向け送電サービスのノウハウは、今後の我が国や英国以外の事業展開にも活用されることが期待されている。

 JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による脱炭素化に向けた海外インフラ事業展開を金融面から支援していく。

 ニュースリリース

 

モバイルバージョンを終了