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三菱重工エンジニアリング、ノルウェーの世界最大級CO2回収実験施設で実証試験

・TCMと合意、新吸収液KS-21TMの商用化に向け検証

 三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(MHIENG、本社:横浜市西区)ならびにノルウェーのモングスタッド(Mongstad)で世界最大級の二酸化炭素(CO2)回収実験施設を運営するモングスタッドCO2 回収技術センター(TCM:Technology Centre Mongstad)(注)は3月4日、同施設でMHIENG独自のCO2吸収液を使った実証試験を2021年5月から開始することで合意したと発表した。

 同試験は、MHIENGが関西電力(KEPCO)と新たに共同開発した「Advanced KM CDR ProcessTM」に使われるアミン吸収液「KS-21TM」の長期使用実証を、CO2回収の環境規制の枠組みにおいて最も先進的な国の一つであるノルウェーで行うもので、2021年中の商用化を目指す。KS-21TMは、これまでMHIENGが納入した13基の商業プラントで採用されている従来のKS-1TMと比較し、さらに揮発性が低く、劣化に対する安定性が高いといった特徴を有しており、運用コストの削減など経済性の向上が期待できるもの。

 英国・欧州においてCO2回収のニーズが高まるなか、MHIENGは最先端の設備と専門知識を有するTCMにおいて、KS-21TMの長期耐久性の確認や環境影響の評価、業界標準に比べ大幅に高いCO2回収率における各種技術データを取得する。同試験により、KS-21TMの商用化の目途付けを行うことで、英国・欧州市場での受注を拡大させることを目指す。

 TCMは、2012年の設立以降、運用されてきた世界最大級のCO2回収実験施設および、排出ガス微量成分に関する深い見識、オンライン分析、高度な分析技術を提供する。これまでの試験でTCMが蓄積した1000種類以上のデータは、吸収液の商用化に大きく寄与する。

 詳細は、ニュースリリース

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