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豊田自動織機、汎用型の小型燃料電池モジュールを新開発

・建機、農機向けの他、定置式発電機として、工場、商業施設や自治体への供給を目指す

 ㈱豊田自動織機は2月26日、燃料電池(FC)システムをパッケージ化した、汎用型の小型FCモジュールを新たに開発したと発表した。このFCモジュールは、FCスタックや、エアコンプレッサー、水素循環ポンプなどのFCシステム関連部品をパッケージ化したもので、セルには、燃料電池自動車(FCV)「トヨタ新型MIRAI」に搭載されている、第2世代のトヨタセルを使用している。

同社は2016年、第1世代のトヨタセルを採用し、FCフォークリフトを国内で初めて開発・販売した。フォークリフトには、長時間稼働や、重量物の連続した積み下ろしなど、パワフルな性能が求められる。長年の開発で培った技術を活用し、フォークリフト用に最適設計された同社製のFCモジュールは、建設機械や農業機械にはもちろんのこと、定置式発電機や可搬式発電機にも適したものであり、工場や商業施設、自治体への供給も目指していく。

 開発したFCモジュールは、発電に関わる部品がパッケージ化されていることにより、エンジンを動力としている様々な既存製品に比較的容易に搭載可能。加えて、用途に応じた周辺部品(水素タンク・蓄電システムなど)の選定や、複数モジュールの連結などにより、様々な出力・搭載スペースに対応可能であることなど、高い汎用性を有しており、FCを動力とする新たな製品の開発・製造を促進することが期待される。

同社は、今回開発した出力8kWタイプに加え、現在、出力24kWおよび50kWタイプの開発も進めており、様々な用途に適用できるようラインアップを拡充させていく。同日、トヨタ自動車が発表した60kW、80kWのFCモジュールと共に、シリーズとして今後販売していく計画。

 近年、世界各国が取り組む脱炭素社会の実現には、水素利活用のさらなる拡大が不可欠であり、そのためには、水素ステーション等インフラの整備と合わせて、様々な場所や用途に使用できる、汎用性の高いモジュールの普及が求められる。同社はこれまでも、FCフォークリフト、FCトーイングトラクターや、FCV向けのエアコンプレッサー等、水素関連製品の開発に取り組んできた。今後も、トヨタ自動車と共に、市場ニーズに応える製品の開発を進め、水素社会の実現に向けて貢献していく。

■FCモジュールの特長

・建設機械、農業機械などから、工場、商業施設等に設置される定置式発電機や、非常用電源等に利用される可搬式発電機など、幅広い用途に使用可能。

・発電に関わる部品のパッケージ化により、既存製品へ比較的容易に搭載可能、また、用途に応じた周辺部品の選定や、複数モジュールの連結により、様々な出力・搭載スペースに柔軟に適合するなど、高い汎用性を有す。

<FCモジュールの仕様>

体格 サイズ:L542×W610×H440mm

質量:113kg

性能:定格出力 8kW、電圧 48V、電流 170A

動作環境:使用可能温度 -20~40℃、短期保管温度 -30~80℃

 ニュースリリース

 

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