・同時開発の専用工具と合わせ、機械と工具のワンストップサポートを開始
・昨年8月発売のFRシリーズをより進化、ダイレクト・ドライブモーター採用で歯車の加工精度アップ
・小モジュール歯車加工に最適な専用工具と合わせ、3月から販売開始
三菱重工工作機械は、昨年8月に高精度歯車加工機“FRシリーズ(注2)”を市場投入した。今回のSE25FR Plusは、高精度が求められる波動歯車装置(注3)向けに進化させたハイエンドモデル。基幹部品であるテーブルとカッターヘッドにダイレクト・ドライブ駆動方式のモーター(注4)や超精密軸受を採用することで、高い回転精度を実現した。これにより歯車加工の精度クラスをISO3級とし、ISO6級のSE25FRと比べ、高精度な切削加工が可能。
三菱重工工作機械は、歯車加工機と切削工具の両方を製作する国内唯一のメーカー。高精度歯車の加工機のみならず、加工ノウハウ、自動化システムなど歯車加工に関するトータルな提案が可能。製造業はもとより、医療やサービス業などにおいても導入が広がるロボット市場を支える歯車工作機械メーカーのトップランナーとして、引き続きモノづくりをリードしていく。(注5)
注1.モジュールとは歯車の歯の大きさを表す値で、ピッチ円の直径(mm)を歯数で除したもの。
2.シリーズ名のFRは“Fine Pitch used Reducer for Robot”に因んだもので、産業用および生活支援ロボットの市場拡大に伴い、ロボット関節部に使用される精密減速機内部の高精度小モジュール歯車の需要が急増したことに対応して開発した。
3.楕円と真円の動きの差を利用して動力の回転速度を減速、出力する機械装置のこと。
4.ダイレクト・ドライブ駆動方式のモーターとは、その回転をギヤボックスなどの間接的機構を介さずに、直接駆動対象に伝達するモーターのことで、摩擦などの駆動損失や部品損耗が抑制できる。
5.三菱重工工作機械を含む三菱重工グループの工作機械事業については、今年5月を目途に日本電産および日本電産グループに譲渡移管の予定。