土浦工場の「事務管理棟」は 2021 年 2 月 26 日に竣工し、6 月中の稼働開始を予定しており、 土浦工場の「エンジニアリング棟」および龍ケ崎工場の「総合棟」は 2022 年度中に完成する計画。
■土浦工場における「事務管理棟」および「エンジニアリング棟」の新設
生産現場をサポートする間接部門の従業員に働きやすい環境を整備するために「事務管理棟」を、 また、これまで各拠点に分散していた開発部門を集約し、部品共通化や制御システムの統合など 効率的で合理的な開発を推進するため「エンジニアリング棟」を、土浦工場の敷地内にそれぞれ 新設する。
「事務管理棟」は、日立建機として初めての木造によるシステム建築構造を採用し、モノづくりを通 じて環境に配慮する企業姿勢をイメージしたデザインとする。木造建築は断熱性や調湿機能に 優れ、省エネ効果が期待できることに加え、解体が容易でリサイクル・リユースが可能な資源であることからも、オフィスビルや商業施設の建築での木材活用が注目されている。
「事務管理棟」では 内装に積極的に木材を採用し、自然素材ならではの温もりや安らぎに満ちた職場環境を創出する。
「エンジニアリング棟」は、若手従業員間のワークショップで働き方のディスカッションを重ね、 「多様性」、「快適性」、「コミュニケーション」をキーワードにデザインを計画している。
土浦工場は、「コンストラクション」*1 の生産工場としての機能に加えて、中型油圧ショベルや中・ 大型ホイールローダ、さらに超大型油圧ショベルやダンプトラックのマイニング製品の開発拠点として 重要な役割を担う。開発部門を集約する「エンジニアリング棟」の新設により、これまでの排出 ガス規制への適応や、操作性の向上、燃費低減の追求に加えて、安全性のさらなる向上や将来の 自動化・自律化に向けた制御機能の高度化、ICT・IoT との連携など、さらに先進的な開発を推進する。
■龍ケ崎工場における「総合棟」の新設
生産部門と間接部門で共用する「総合棟」を龍ケ崎工場の敷地内に新設することで、さらなる コミュニケーションの活性化を促進するとともに、福利厚生設備の充実も図る。吹き抜けのある ラウンジや、大きな窓がある食堂を仕事や打合せにも利用できる設えとし、土浦工場に新設する 「事務管理棟」、「エンジニアリング棟」と同様に、「多様性」と「快適性」を併せ持つデザインを計画 している。
■各棟の新設に日立建機の ICT 施工を活用
土浦工場の「事務管理棟」建設の基礎工事では、日立建機の ICT 油圧ショベル ZX200X-6 の 3 次元マシンコントロール機能が活用された。従来型の施工と比較して、作業員による検測作業 の削減や掘削作業の効率化により、安全性の向上および工期短縮に貢献した。引き続き、土浦工場の「エンジニアリング棟」および龍ケ崎工場の「総合棟」の基礎工事においても、ICT 施工が 活用される予定。
今回は茨城県の生産拠点を中心とした建屋の新設だが、この他にも播州工場(兵庫県 加古郡)をはじめとする他の地域の事業所についても、現在、従業員の勤務環境改善に 向けたさまざまな検討を進めている。働きやすい環境を整備することで、優秀な人財の 確保と多様な働き方が可能となり、各地域の活性化にも貢献していけると考えている。
日立建機グループは、今後も国内主要拠点の再編を通じ、さらなる強靭な事業体質へと 転換していく。
- 国内主要拠点の再編の進捗状況について(2021年2月25日時点)
これまで、一般建設工事向けのコンストラクションとマイニング*2 向け油圧ショベル・ダンプトラック・ホイールローダ、ミニショベルやミニホイールローダなどコンパクト*3 機械の開発と生産について、機能別に再編を進めてきました。大型油圧ショベルは、土浦工場から常陸那珂臨港工場(茨城県ひたちなか市)への生産移管が完了し、さらに、ホイールローダ用コンポーネント生産についても播州工場(兵庫県加古郡)から常陸那珂工場(茨城県ひたちなか市)への移管が完了している。2020年度には、龍ケ崎工場で生産していたミニホイールローダを、日立建機グループのコンパクト事業を担う日立建機ティエラ(滋賀県甲賀市)で生産するための移管作業を進め、国内の生産拠点の再編を進めている。
*1:大規模から中規模の土木・建設工事に使われる中・大型油圧ショベル・中・大型ホイールローダ
*2:大型インフラ工事や砕石・鉱山での採掘・運搬に使われる超大型油圧ショベル・マイニングダンプトラック
*3:農作業や狭小地の工事などで使われる小型のミニショベルとミニホイールローダ
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