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帝人、チェコ拠点にGF-SMC成形設備を新設

・複合成形材料事業の欧州拠点を強化

 帝人は2月17日、グループで複合材料製品の生産・販売・技術開発を手がけるベネット・オートモーティブ社(Benet Automotive s.r.o.、本社:チェコ ムラダー・ボレスラフ市)が、チェコ国内のミロヴィツェ工場に、生産性、外観性、寸法・品質安定性に優れるGF-SMC(*1)の成形設備を新設すると発表した。

 (*1)GF-SMC: Glass Fiber Sheet Molding Compound の略。熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ、シート状にした成形材料。

 帝人は、2017 年に北米最大の自動車向け複合材料部品メーカーである ContinentalStructural Plastics Holdings Corporation(CSP社)を買収したのをはじめ、2018 年にポルトガルの Inapal Plasticos 社(イナパル社)、2019 年にベネット・オートモーティブ社を買収して自動車向け複合成形材料事業の拠点を構築し、グローバルTier1サプライヤーとして、自動車メーカーからの要求特性に対応すべく、環境負荷低減に向けた取り組みを進めてきた。

 そして、その間、欧州 2 拠点の中間に位置するCSP社のフランスの研究開発拠点にGF-SMC基材工場、イナパル社にはCF-RTM(*2)の成形設備を新設するなど、機能の充実を進めてきた。また、ドイツには Teijin Automotive Center Europe GmbH(テイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ)を設立し、次世代自動車に向けたマルチマテリアルでのソリューション提案力の強化を図っている。

 (*2)CF-RTM: Carbon Fiber Resin Transfer Molding の略。金型の中に炭素繊維シートを配置した後に樹脂を注入し、加熱により硬化させる成形方法。

 こうした中、ベネット・オートモーティブ社は、ドイツなどの有力自動車メーカーが生産拠点を構える中東欧の中心部に位置するチェコに主要拠点を構え、炭素繊維複合材料(CFRP)の成形技術、および自動車部品の塗装や組み立ての設備などにより、Tier1として自動車メーカーに部品を供給している。今回のGF-SMC成形設備の新設は、帝人の欧州における自動車向け複合成形材料事業の拡大を図り、軽量性、強度をはじめ、デザイン、生産性、コスト効率向上といった顧客ニーズへの対応力強化を目指すもので、既に欧米の自動車メーカーから新たな受注を獲得している。

 帝人グループは、マルチマテリアルでのTier1サプライヤーとして、使用材料の拡充から部品設計にまで踏み込んでのソリューション提案力の強化や、グローバルでの安定供給体制の確立を進めていく。そして、2030 年近傍には、自動車向け複合材料製品事業の売上を 2,000 百万米ドル規模へと拡大していく。

<GF-SMC成形設備新設の概要>

設備内容:自動車向けGF-SMC製品の成形・加工・組み立て

設置拠点:チェコ ミロヴィツェ市

投資額:約10億円(約10百万ユーロ)

稼働時期:2022 年秋(予定)

 ニュースリリース

 

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