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牧野フライス、20年4~12月期売上は31.9%減の781億円

 ㈱牧野フライス製作所が1月29日に発表した2021年3月期第3四半期(2020年4~12月)連結業績によると、売上高781億1百万円(前年同期比31.9%減)、営業損失46億15百万円、経常損失32億2百万円、純損失38億59百万円となった。

 受注は823億51百万円(前年同期比28.7%減)となった。中国を除くすべての地域で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて大きく減少した。中国は期初から回復傾向であることから、前年同期並みとなった。第3四半期(2020年10月~12月)における報告セグメント別の受注状況(現地通貨ベース)は以下のとおり。

 牧野フライス2021年3月期第3四半期データ

<セグメントⅠ> (「個別」および国内連結子会社)

 国内受注は前年同期を上回った。大きな落ち込みのあった第2四半期に対しては増加したが、顧客が設備投資を見合わせる状況が継続した。第4四半期も同様の状況が続くと見ている。

<セグメントⅡ> ( MAKINO ASIA PTE LTD )

 アジアは中国とインドが回復傾向であったことにより、前年同期を上回った。18年度第2四半期以降、初めて前年同期比で増加した。中国は電気電子関連の金型加工向けを中心に増加した。スマートフォン関連の受注もあった。部品加工向けには自動車や半導体製造装置関連で受注が継続した。第4四半期は、自動車の大型金型加工向けや、油空圧関連の部品加工向けの案件も加わることで、回復傾向を維持すると見ている。インドは自動車の販売台数が2020年8月以降、前年同期比で増加していることに伴い顧客の設備投資があった。第4四半期は自動車以外の受注も取り込むことで、受注増となるよう取り組む。アセアンは、前年同期を上回った。

<セグメントⅢ> ( MAKINO INC. )

 アメリカは前年同期を上回った。航空機向けの受注が大幅に減少したことが主な要因。第2四半期に比べ、SUVやピックアップトラック等の自動車や、半導体製造装置の部品加工向けの受注については増加した。第4四半期も同様の状況が継続すると見ている。

<セグメントⅣ> ( MAKINO Europe GmbH )

 ヨーロッパは低水準であった前年同期並みとなった。厳しい状況下でも自動化のための設備投資の引き合いがあり、これを獲得することによって第4四半期も受注増に努める。

 牧野フライス製作所は、コロナ禍において、生産活動のみならず、営業、サービス活動においても自動化を進めてきた。営業面では、昨年3月に開始したYouTubeでの動画配信や、Web上で展示会の開催をした。これらを通して同社に興味を持つアクティブユーザ数は累計34万人超となっている。サービス面では、リモートで顧客の機械の復旧をサポートできるIoTセンタの稼働により、迅速な対応が可能となった。このように、多くの顧客と効率的につながる仕組みを構築することができ、今後の景気の拡大時には、その効果をより発揮できるものと期待している。

 また、昨年11月に開催された工作機械見本市JIMTOFにおいて、今後のものづくりの方向性を示すコンセプト機として、「e・MACHINE」を発表した。これは、Ecological、Exchangeable、Expandable、Electrical、Endurable、Easy to useの6つの「e」を実現する機械。軽量化や電動化によりエネルギー消費を低減することや、機械購入後もソフトウェアの更新による拡張が可能、主軸ユニットを交換すれば異なる特性を持つ機械に変更可能、音声により操作ができるため使いやすい等々、さまざまな特長を持っている。これらの技術によって、顧客の生産性の向上と、環境負荷の低減を両立することができる。e・MACHINEで紹介した技術を今後の新製品に取り入れ、営業活動を展開していく。

■連結業績予想に関する定性的情報

 環境の変化に対応したコスト削減が想定以上に進んだため、2020年10月30日に公表した業績予想を下記の通り修正した。

 売上高1,135億円(前回予想:同)、営業利益△48億円(同△60億円)、経常利益△36億円(同△50億円)、親会社株主に帰属する当期純利益△44億円(同△56億円)。

 牧野フライス製作所の2021年3月期第3四半期決算短信

 

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