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アドテックエンジニアリング、長岡事業所の生産能力を拡張、敷地内に新工場建設

 ㈱アドテックエンジニアリング(本社:東京都港区)は12月23日、現在の長岡事業所(新潟県長岡市)の隣地に存する、土地及び建物を購入すると共に、取得敷地内に新工場を建設し、製品の生産能力を拡張すると発表した。

 近年、露光装置を取り巻く環境は、高速通信規格「5G」の普及拡大・データセンターの拡充などにより、プリント基板や、パッケージ基板等の半導体後工程を含めた多岐にわたる回路形成技術の進化に即応した露光装置の世界的な需要増加、及び露光装置の大型化への対応のために、生産能力の増強を図ることが課題となっていた。

 さらに、各業界での製造工程における省人化・生産性の向上に向けた、FA(Factory Automation)装置の需要も大きく高まり、事業拡大に向けた生産スペースの拡大も、必要となっていた。

 新たに取得した既存建屋の追加スペースを確保することで、主力事業である全自動DI露光装置(DI:Direct Imaging)の生産能力は、現在のおよそ1.4倍に拡大する。

 また、取得土地の遊休地に、新工場を建設する。新工場では、アドテックエンジニアリングが創業以来培ってきた、特殊精密加工技術を活用し、次世代半導体製造プロセス向けにウシオグループが注力しているEUV事業(※1)の主要基幹部品の生産体制を構築するもの。

 なお、隣地の売買契約は、2020年9月28日に調印済み。

<取得物件(土地・建屋)概要>

住所:新潟県長岡市三島新保392番1

敷地面積:14,970㎡

既存建屋床面積:4,410㎡

生産予定品種:全自動DI露光装置・各種FA装置

<新工場概要(記敷地内に建設予定)>

新規建屋床面積:2,000㎡

竣工:2022年春頃

生産予定品種:マスク検査用EUV光源 主要基幹部品等

 (※1)ウシオグループのEUV事業:高度に微細化された次世代半導体の量産技術として13.5nmの極端紫外光(EUV)を用いたEUVフォトリソグラフィの実用化が待たれているが、その実現のためには高精細マスクの欠陥を検査・抽出する検査技術の確立が必須とされている。ウシオ電機ではそのマスクを検査する「マスク検査用EUV光源」を開発しており、ADTではその主要基幹部品の製造を担う。

 マスク検査装置用EUV光源(ウシオ電機HPより)

   EUVは物質を透過しにくいため、光学系には、レンズではなく反射ミラーが利用されている。反射光学系のマスクブランクスはMo/Siの繰り返し積層構造となっており、欠陥が入るとパターンが歪んでしまうため、欠陥の有無確認が次世代半導体の量産プロセスには必須となる。

 ニュースリリース

 

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