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日立造船、メタネーション技術の中国国内での事業実証に関する協力覚書を締結

・ 日中両国の政策協力に貢献

 日立造船は12月23日、経済産業省と中国国家発展改革委員会などが開催した第14回日中省エネルギー・環境総合フォーラムにおいて、一般財団法人石炭エネルギーセンター(東京都港区、北村 雅良会長、以下、JCOAL)および中国の楡林経済技術開発区(陝西省)と、日立造船メタネーション技術の中国国内での事業実証に関する協力覚書を締結したと発表した。

 JCOALと楡林経済技術開発区は、同地区をモデル地域として、日中のイノベーティブな技術の社会実装を通じ、低炭素・循環型水素社会の実現を目指す協定協議書を2019年に結んでいるが、カーボンリサイクル技術の1つである日立造船のメタネーション技術が中国における低炭素・循環型水素社会の実現に大きく寄与する可能性があると確認したことから、日立造船を含めた三者による本覚書の締結に至った。

 覚書では、楡林経済技術開発区において日立造船のメタネーション技術の事業実証や社会実装に向けて、技術の適格性、サプライチェーンの整合性、政策への親和性、事業採算性等の検討を行う。

 また、JCOALと日立造船は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO、神奈川県川崎市、石塚 博昭理事長)が2020年9月に公募した「カーボンリサイクル・先進的な火力発電技術等の海外展開推進事業/カーボンリサイクル・先進的な火力発電技術等に係る導入促進事業/カーボンリサイクル関連技術及び先進的な火力発電技術等の海外展開可能性の調査」において、「中国におけるメタネーション技術の導入可能性調査」を応募申請し、11月に採択された。今後、中国でのメタネーション技術の事業性評価(FS)の実施方針を提示するための調査を行う。

 日本は2013年に「経協インフラ戦略会議」を立ち上げ、日本の優れた技術を海外に広げるための「インフラシステム輸出戦略」を策定しており、2020年12月10日には2025年を目標とした「インフラシステム海外展開戦略2025」を打ち出している。また、中国は2060年にCO2排出量実質ゼロを目指しており、再生可能エネルギーや脱炭素技術の導入を加速している。本件は両国の政策および日中友好に貢献するもの。

 日立造船は、水素とCO2からメタンを合成するメタネーション技術の実証試験を1993年に東北大学とともに実施しており、その実証試験がPower to Gasの始まりと言われているが、メタネーション技術の第一人者として、メタネーションの社会実装による脱炭素・炭素循環社会の実現に向け、今後とも積極的に技術開発を進めていく。

 なお、本件の概要は次のとおりです。

1.覚書名称:メタネーション技術の中国国内での事業実証に関する協力覚書

2.署名者:一般財団法人石炭エネルギーセンター(東京都港区、北村 雅良会長)、

       中国・楡林経済技術開発区(陝西省)、

       日立造船株式会社(大阪府大阪市、三野 禎男社長)

3.目  的:楡林経済技術開発区をモデル地域として、日本のカーボンリサイクル技術である日立造船株式会社のメタネーション技術の社会実装を通じて中国における低炭素・循環型水素社会の実現を目指す。

4.実施内容:楡林経済技術開発区において日立造船株式会社のメタネーション技術の事業実証として、技術の適格性、サプライチェーンの整合性、政策への親和性、事業採算性等の検討を行う。

5.有効期間:2022年12月(以降、自動延長)

 ニュースリリース

 

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