・ITエレクトロニクスや先端素材関連産業などの6社が工場、研究所等を新設
・「セレクト神奈川NEXT」による支援を決定
神奈川県は、企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」で企業の立地を支援しているが、12月8日、この支援制度を利用して、キヤノン、三菱ケミカルなどIT／エレクトロニクスや先端素材関連産業など6社が工場、研究所等を新設することになったと発表した。発表によると、神奈川県内企業3社の再投資計画及び県外からの立地企業2社の新設計画を、「セレクト神奈川NEXT」の企業立地支援事業として認定。投資規模は、5社で合計約450億円。このほか、県外からの立地企業1社の新設計画に対し、企業誘致促進賃料補助金の交付を決定した。該当企業の計画概要は以下のとおり。
■キヤノン、約214億円投じて平塚事業所に新工場建設
キヤノン（本社：東京都大田区）は、約214億円を投じて平塚市にある平塚事業所内に工場を新設し、自社製品に搭載するCMOS センサーの生産能力向上を図る。製造ラインの大型化や生産コスト低減により、収益拡大と生産効率化を実現するとともに、今後の新規プロジェクトの展開を可能とするため生産体制の強化を目指す。
＜新工場概要＞
立地場所：神奈川県平塚市大神3072
稼働開始：2023年7月1日
投資額：約214億円
操業開始時の雇用人数：200名
■三菱ケミカル、横浜市青葉区にある研究拠点内に研究棟を新設
三菱ケミカル（本社：東京都千代田区）は、横浜市青葉区にある同社研究拠点Science & InnovationCenter 内に研究棟を新設し、最新鋭デジタル設備の導入、社内外のコミュニケーションの活性化等によるイノベーション創出を図る。材料設計、合成、解析技術など化学全般の基幹技術を有する同拠点の更なる機能強化を通して「持続的に社会に貢献するワールドクラスの研究開発体制」の実現に貢献する。
＜新研究棟概要＞
立地場所：横浜市青葉区鴨志田町1000
稼働開始：2022年4月1日
投資額：約177億円
操業開始時の雇用人数：390人
■鉱研工業、伊勢原市内に工場を新設し、大型産業機械を開発・製造
鉱研工業（本社：東京都豊島区）は、伊勢原市にある内陸伊勢原工業団地内に工場を新設し、アンカー工事、トンネル掘削工事の地質調査に利用されるアロードリル等の大型産業機械の開発・製造を行う。今後、国や自治体の防災対策に伴う需要拡大が見込まれるため、生産ラインの効率化や作業ロット拡大を図り、事業拡大を目指す。
＜新工場概要＞
立地場所：伊勢原市鈴川54
稼働開始：2022年6月1日
投資額：約27億円
操業開始時の雇用人数：90人
■利久、茅ヶ崎市内にバイオマス発電所を新設
利久（本社：藤沢市）は、茅ケ崎市内に発電所を新設し、関連会社である株式会社都実業が収集し破砕した、剪定枝由来の木質チップを利用し、バイオマス発電を行う。当該発電所の稼働により、茅ケ崎市をはじめとした周辺自治体内で収集される剪定枝を活用したエネルギーの地産地消が図られる。
＜発電所概要＞
立地場所：茅ケ崎市赤羽根字十二図3853の一部 ほか
稼働開始：2021年8月1日
投資額：約17億円
操業開始時の雇用人数：12人
■二和印刷、伊勢原市内に新工場
二和印刷（本社：東京都中央区）は、伊勢原市にある内陸伊勢原工業団地内に工場を新設し、エイジングケアや環境ダメージからの保護などの未病改善の機能を持つ医薬部外品の外装紙器の設計、開発、印刷及び加工を行う。
工場（品川区、横浜市）の集約と、設備の拡充（クリーンルームの設置等）により、取引先の拡大や、短納期にも対応できる生産システムを構築することで、売上拡大を目指す。
＜新工場概要＞
立地場所：伊勢原市鈴川53－２
稼働開始：2021年11月1日
投資額：約15億円
操業開始時の雇用人数：27人
■カラーリンク・ジャパン、川崎市内に設計・開発拠点を新設
カラーリンク・ジャパン（本社：新潟県上越市）は、川崎市内に設計・開発拠点を新設し、新規事業分野であるVR 用超薄型モジュール及びシースルータイプの両眼視モニター用モジュールの製品開発を進めると同時に生産の自動化を推進する。
当分野は今後成長が期待され、大きな潜在市場を見込んでおり、次世代技術開発にあたり、パートナー企業と近接する当地に進出し相互連携を強化することで、今後の事業拡大を目指す。
＜研究所概要＞
立地場所：川崎市幸区新川崎７－７AIRBIC
稼働開始：2020年12月1日
投資額：不明
操業開始時の雇用人数：11人