「KG-18-T」は、2011年の初受注以降、180台以上の販売実績がある従来機をベースに、さらなる性能の向上を目的に開発したもの。出力は7,800kW(50Hz)、7,500kW(60Hz)で、新開発した2段過給システムの搭載により発電効率は川崎重工の従来機と比較して1.5%向上し、本出力クラスでは世界最高の51.0%※1。NOx排出量は200ppm※2以下であり、環境規制の厳しい多くの都市部への対応が可能。また、起動指令後5分で最大出力に到達可能な優れた起動性を有しており、電力網の需給調整力の向上に寄与する。
伊丹産業は、1948年に創業した生活総合商社で、近畿を中心にLPガス・石油・米穀を中心として生活に身近な商材を取り扱い、地域への貢献を果たしている。電力の小売自由化をきっかけに電力事業にも参入し、現在国内でメガソーラー7か所とガスエンジン発電所1か所を展開している。今回の工事により、2018年に兵庫県神戸市で運用を開始したカワサキグリーンガスエンジンKG-18-V(出力7,500kW、60Hz)1基からなる「兵庫神戸ガスエンジン発電所」の能力を増強することで、年間1億2,600万kWh(約35,000世帯分)の安定した自社電源を確保する。
再生可能エネルギーの導入拡大、新たな電力制度設計、激甚化する自然災害に対応する電力インフラの強靭化など、電力業界を取り巻く環境は日々変化している。川崎重工は、これまで培った技術と知見を活かし、顧客ニーズを踏まえた製品・サービスを顧客に届けることで、エネルギー・環境ビジネスをスピーディーかつ積極的に展開していく。
※1 国内都市ガスベース(40.6MJ/Nm³、メタン価=69)
※2 O₂=0%換算