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NTN、工作機械主軸用「センサ内蔵軸受ユニット」を改良

・ワイヤレス化と荷重検出機能により、高度かつ広範囲な状態監視を実現

 NTNは11月13日、2018年に発表した工作機械主軸用「センサ内蔵軸受ユニット」をワイヤレス化するとともに、新たに荷重センサを搭載した改良品を開発したと発表した。これにより、主軸用軸受の焼付きの未然防止につながるほか、加工状態の監視や軸受の組み付けなどを簡素化することができる。

 労働人口の減少などを背景に、製造現場では省人化や無人化が進むとともに、生産性の向上が求められている。こうした中、工作機械の基幹部品である主軸用軸受の焼付きなどの損傷、それに伴う稼働停止や主軸交換などの損害を防ぐニーズが高まっている。工作機械主軸用「センサ内蔵軸受ユニット」は、軸受に隣接する外輪間座にセンサを内蔵し、軸受軌道面付近で高度な状態監視を行うことで、主軸用軸受の焼付きの未然防止に貢献する商品。2018年の開発発表後、顧客への提案を進める中で、ワイヤレス化や加工状態の監視、軸受の組み付けにかかる工数の削減などの要望を得て改良を行った。

 今回の改良では、主軸の回転を利用して発電する小型・高出力の電磁式発電機と、小型で消費電力を抑えた無線モジュールを軸受ユニットに内蔵し、ワイヤレス化を実現した。電力供給やデータ伝送のための外部接続ケーブルや配線スペースが不要となり、軸受の組み付け・取り扱いを簡素化する。

 また、新たに小型・高感度の荷重センサを適用し、運転時に軸受に負荷される荷重やその変化を同時検出することが可能となった。運転中の切削荷重の変化など加工状態の監視に用いることで、加工品質や生産性の向上に貢献するほか、予圧荷重の高精度な測定も容易となり、軸受組み付け時の調整を短時間で行うことができる。更に、焼付き前に生じる予圧荷重の急激な増加を検出することで、従来適用していた熱流センサに代わり、荷重センサで焼付きの未然防止に貢献する。

 NTNは、開発品を工作機械の高機能化および製造現場の省人化や無人化、生産性の向上に貢献する商品として、各工作機械・スピンドルメーカに提案を進めていく。

 なお、開発品は11月16日~27日に開催される「JIMTOF2020 Online」に参考出展する。

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