・BOF 転炉全4基の既存システム(レベル1およびレベル2)がプライメタルズテクノロジーズのプロセス最適化でアップグレード
・計算精度の向上、高度に自動化された転炉操作、添加剤の削減
・インターネットを介したローカルおよび遠隔サポートによる円滑なプレジェクトの実施
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies、以下、PT社)は11月12日、ロシアの鉄鋼生産者であるエブラズ社のニジニ タギル製鉄所向けBOF転炉全4基のプロセス最適化アップグレードを受注したと発表した。同所のレベル2システムにはPT社のインテリジェントソフトウェアが適用される。現在、頻繁に手動で調整されている転炉の操作は新しいプロセス最適化ソリューションが提供する高精度な動的モデルにより転炉操作が改善され、すべてのシフトでの転炉の生産管理が最適化される。標準操作モードでは、添加剤使用量を削減する。契約交渉とプロジェクトキックオフミーティングはビデオ会議で行われた。PT社専門家が、2021年夏、オーストリアのリンツからは遠隔で、ロシアのエカテリンブルグからは現地に出向いて転炉を調整する予定。また、PT社はエブラズ社に対し、レベル1システムの追加サポートも行う予定。
■転炉の近代プロセス最適化
エブラズ社は、ロシアのニジニ タギル製鉄所で転炉全4基の既存プロセス最適化システムをアップグレードしている。PT社は、同所のレベル1システムの近代化を行った後にレベル2システムの入替を行う。新しいプロセス最適化ソリューションは、冶金プロセスを計算するためのより精密な動的モデルおよび出銑温度や溶鋼の化学組成といったプロセスパラメーターをより正確に提供する。ソフトウェアの最新のユーザーインターフェイスは直感的な操作性と明確なレイアウトにより、オペレーターによる操作を容易にする。PT社はエブラズ社のレベル1システムへの適応もサポートする。
■ローカルおよびデジタルプロジェクト
同プロジェクト遂行における大きな利点の1つは、PT社のエカテリンブルグのスタッフによるローカル サポートと、オーストリア、リンツにいるPT社専門家によるサポート。リンツの専門家達はデジタルソリューションを介し、現場状況に応じたオンライン遠隔サポートを実施する。試運転は2021年夏の予定。PT社は最近数か月間に、ビデオ会議、ヘッドマウントディスプレーユニット、拡張現実 を含むオンライン遠隔サポートで多くのプラントを稼働させている。
エブラズ社は英国、ロンドンに本社を置く、鉄鋼業および鉱業を統合した多国籍企業。溶銑490万トンおよび鋼材430万トンの年産能力を誇るエブラズ社は、ロシア最大規模の一貫製鋼所。この製鉄所はロシアのウラル連邦管区スベルドロフスク州ニジニ タギル市にあり、主に鉄道用車輪・レール、 構造用鋼、パイプ、鋼片(半製品)を生産している。ニジニ タギルはロシアの昔からの鉄鋼と鉱業中心地の1つ。
ロシアのニジニ タギル製鉄所にあるエブラズ社の転炉全 4 基にプライメタルズテクノ ロジーズによるプロセス最適化システムを装備予定。