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DMG森精機、20年1~9月売上は32.9%減の2,343億円、通期予想は32.1%減の3,300億円

 DMG森精機が11月6日に発表した2020年12月期第3四半期累計(1~9月)連結業績によると、売上収益は234,362百万円(前年同期比32.9%減、前期は349,342)、営業利益は6,235百万円(同78.2%減、前期は28,573)、税引前四半期利益は2,266百万円(同90.6%減、前期は24,158)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は32百万円(同99.8%減、前期は15,266百万円)となった。(数値表記は原文尊重)

 DMG森精機2020年第3四半期データ

■1~9月の受注は36%減の2,065億円

 2020年1~9月の全社受注は2,065億円で前年同期比36%減となった。四半期ベースでは、第2四半期(4~6月期)の572億円から第3四半期(7~9月期)には710億円と24%の増加となり、第2四半期を底に着実に回復していることを確認した。

 引き続き、5軸・複合加工機などの工程集約機、アディティブマニュファクチャリングや超音波加工機などの最先端機械、自動化、デジタル化などの引合いが増加している。これらにより、1台当たりの受注単価は前年度に比べ4%増加した。

 機械受注の地域別動向は、前年同期比で日本及び欧州がそれぞれ41%減、51%減と大きく落ち込んだが、米州は20%減、中国を含むアジアは29%減と減少率は改善傾向を示している。第3四半期(7~9月期)のみでは、中国、アジア地域は前年同期比でプラスに転じた。修理復旧サービス・補修部品の受注も第3四半期累計では前年同期比20%減となったが、第3四半期のみでは同11%減と、顧客の稼働率改善に伴い回復してきた。

 産業別には、医療関連が好調なほか、半導体製造装置関連、金型関連、インフラ関連が堅調に推移している。約2年間減少を続けてきた自動車関連も底打ちから一部動意が見られる。一方、民間航空機関連は第2四半期以降低迷している。

■経営成績に関する説明より

 DMG森精機は、機械加工の全プロセスを提供するトータル・ソリューション・プロバイダとして、5軸・複合加工機などの工程集約機やアディティブマニュファクチャリング(積層造形技術)機を基盤とした自動化・デジタル化を推進している。また、顧客はポータルサイト「my DMG MORI」を通じて、保有機に関する情報の一元管理や修理復旧サポートの依頼をすることができる。

 そのほか、DMG森精機はオンライン学習に注力しており、製品や技術に関するオンラインセミナーや記事を多数公開している。さらに、これらのデジタルコンテンツを活用した「デジタルアカデミー」を導入し、eラーニングと加工実習を組み合わせた従来以上に質の高い教育サービスを提供している。また、製造現場の生産性向上をデジタル化により支援するアプリケーション作成ツール「TULIP」の導入を進めている。このシステムではプログラミングの専門知識が不要なため、現場作業者が素早く直感的に、作業手順書の作成や検査・品質管理、機器のモニタリングなどを行うことができる。

 さらに、NTTコミュニケーションズ及びKDDIと連携し、工場内のワーク自動搬送ロボット(以下、AGV)や機械同士の人工知能(AI)学習を利用した切屑除去など、5Gを活用した新たな技術の開発も行っている。欧州最大の生産拠点であるフロンテン工場では「monoBLOCKエクセレンスファクトリー」の稼働を開始しており、自動化とデジタル化のモデル工場として、AGVによる効率的なライン生産など最先端の技術を導入している。DMG森精機は今後も最高の技術とサービスを追求し、工作機械の新しい価値と無限の可能性を顧客へ届けていく。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2020年12月期の連結業績予想については、従来から推し進めている経費管理の徹底により、営業利益及び親会社所有者に帰属する当期利益の予想を下記のとおり上方修正した。

 売上高3,300億円(前期比32.1%減)、営業利益100~110億円(同:73.2~70.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益15~30億円(同:91.7~83.3%減)。

 DMG森精機の2020年12月期第3四半期決算短信

 第3四半期決算説明資料

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