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クボタ、20年1~9月売上は7.1%減の1兆3,568億円、通期予想は前回予想より500 億円増の1 兆8,300 億円

 ㈱クボタが11月5日に発表した2020年12月第3 四半期(1~9月)連結業績によると、売上高は前年同期比1,040 億円(7.1%)減少して1 兆3,568 億円となった。国内売上高は機械、水・環境、その他の全部門で減収となり、前年同期比450 億円(9.4%)減の4,357 億円となった。海外売上高は水・環境部門がわずかに増加したが、建設機械、トラクタ、エンジンが減少したため全体では前年同期比589 億円(6.0%)減の9,211 億円となった。

 営業利益は国内外での減収に加え、台風の影響などによる2019 年第4 四半期の減産や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う第2 四半期の減産により、第3四半期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益が大幅に悪化したため前年同期比363 億円(21.8%)減の1,299 億円となった。税引前利益は営業利益の減少などにより前年同期比325 億円(19.0%)減少して1,387 億円となった。法人所得税は347 億円の負担、持分法による投資損益は21 億円の利益となり、四半期利益は前年同期比242億円(18.6%)減の1,061 億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を260億円(21.2%)下回る965 億円となった。

 クボタ2020年第3四半期データ

■部門別の概況(部門別の外部顧客への売上高及びセグメント利益の状況)

<機械部門>

 同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。同部門の売上高は前年同期比7.5%減少して1 兆1,130 億円となり、売上高全体の82.0%を占めた。

 国内売上高は前年同期比12.2%減の2,217 億円となった。消費増税前の駆け込み需要の反動減や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う販売活動自粛の影響などにより農業機械及び農業関連商品が大幅減となったほか、建設機械やエンジンも減少した。

 海外売上高は前年同期比6.2%減の8,913 億円となった。北米では、4 月以降の堅調な需要や新機種効果などにより小売は極めて好調に推移しているものの、2018 年に発生した台風の影響を受けて一部製品の出荷時期が前々期から前期にずれ込んでいたことの反動や、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生産や出荷に遅れが生じたことなどにより、建設機械やトラクタが減少した。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたOEM 先の減産やオイル・ガス市況の悪化により、エンジンも大幅に減少した。

 欧州では、足元のトラクタや建設機械の小売は回復基調にあるものの、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いディーラーが一時的に営業を停止した影響や、エンジンのOEM先の減産などにより、建設機械、エンジン、トラクタともに前年を下回った。

 アジアでは、タイのトラクタが雨季の降雨により足元では堅調に推移しているものの、年前半の水不足や在庫調整の影響を補い切れず、前年を下回った。一方、中国では、エンジンが経済活動再開後の需要回復を受けて大きく伸長したほか、農業機械も需要拡大や新機種効果により増加した。

 同部門のセグメント利益は値上げ効果などはあったが、国内外での大幅な減収や、当期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益悪化、円高の影響などにより、前年同期比21.1%減少して1,360億円となった。

<水・環境部門>

 同部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)により構成。同部門の売上高は前年同期比5.0%減少して2,225 億円となり、売上高全体の16.4%を占めた。

 国内売上高は前年同期比5.8%減の1,929 億円となった。ダクタイル鉄管や工事事業などが伸長したが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により合成管、スパイラル鋼管、空調機器などが減少したため、パイプインフラ関連製品は減少した。環境関連製品は福島県双葉町での廃棄物処理施設の建設に伴う売上が大きく減少した。

 海外売上高は前年同期比0.6%増の296 億円となった。韓国向けの素形材の売上などが増加した。

 同部門のセグメント利益は原材料価格が低下したものの、国内での減収やプラント建設コストの増加などにより、前年同期比15.4%減少して149 億円となった。

<その他部門>

 同部門は各種サービス事業などにより構成。同部門の売上高は前年同期比10.0%減の214 億円となり、売上高全体の1.6%を占めた。セグメント利益は前年同期比4.3%減少して22 億円となった。

■連結業績予想に関する定性的情報

 2020 年12 月期の売上高は前回予想時(2020 年8 月4 日)から500 億円増の1 兆8,300 億円を見込んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う低迷からの回復が各地域で順調に進んでいるほか、東南アジアなどで雨季の天候が良好に推移しているため、機械部門の売上高が国内、海外ともに前回予想を上回る見込み。

 営業利益の予想については、第3 四半期までの実績や売上予想などを踏まえ、前回予想を200 億円上方修正し、1,700 億円とした。また、税引前利益は前回予想比250 億円増の1,800 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前回予想比150 億円増の1,250 億円とした。

 業績見通しにおける想定為替レートは、1 米ドル=107 円、1 ユーロ=120 円としている。

 クボタの2020年12月期第3四半期決算短信

 第3四半期決算補足説明資料

 

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