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川崎重工、富士市向け「富士市新環境クリーンセンター」の納入および運営管理業務の開始

 川崎重工業は10月26日、静岡県富士市にごみ処理施設「富士市新環境クリーンセンター」を納入し、川崎重工と㈱シンキからなる川重・シンキ特定共同企業体による20年間の運営管理業務を開始したと発表した。

 今回納入したごみ処理施設の焼却能力は、1日あたり250t(125t/24h×2炉)で、少ない空気量でごみを完全燃焼できる川崎重工独自の並行流焼却炉をベースとしたカワサキ・アドバンストストーカシステムを採用している。さらに、ろ過式集じん器(バグフィルタ)、触媒脱硝装置、排ガス再循環システムなど、高度な排ガス処理システムを設置することにより、ダイオキシン類や窒素酸化物など国の定める規制対象の基準値を大幅に下回る環境にやさしい施設。

 また、焼却炉に高温高圧ボイラと復水式蒸気タービンを組み合わせて高効率発電(最大発電量6,800kW)を行い、施設内の消費電力を賄うとともに、余剰電力を売却する。併せて、タービン抽気蒸気は循環啓発棟の温浴施設(ふじかぐやの湯)の給湯熱源として利用する。さらに、ごみ焼却施設の他、剪定枝の破砕設備があり、処理後のチップなどは地域住民へ無償提供する。

 川重・シンキ特定共同企業体は、環境との調和、地域との融合、富士山との融合を目指した「安全と安心を約束する資源循環パーク」を基本理念として、工場棟、資源回収棟、循環啓発棟※1、屋外啓発ゾーン、森林環境創造ゾーン等により構成される同施設を運営していく。運営にあたっては、先進の自動燃焼制御「Smart-ACC®※2」を搭載しているほか、遠隔監視システム「KEEPER※3」による運転支援や運転計画策定ソフト「WtE-SAURS※4」による最適な年間運転計画策定支援などにより安定運営をサポートする。

 川崎重工は、ストーカ式焼却炉をはじめとした各種廃棄物処理技術を有しており、国内で半世紀以上にわたり多くの一般廃棄物処理施設を手掛けている。今後も多様化する環境問題やニーズに応えるため、積極的な技術開発と販売活動に取り組んでいく。

 ※1  循環啓発棟は別の指定管理者が運営。

 ※2  Smart-ACC : ごみ焼却施設を従来に比べてより高効率で安定した発電施設として機能させるための川崎重工独自の高度燃焼制御技術。

 ※3  KEEPER : ごみ処理施設から離れたサポートセンターにおいて、ベテラン技術者による運転状況の監視および支援を行うシステム。

 ※4  WtE-SAURS : 売電収入が最大となる運転計画を自動で策定し、地域のエネルギーセンターとしての価値向上に寄与するシステム。

■富士市新環境クリーンセンター整備運営事業の概要

【建設工事】

発注者:富士市

受注者:川重・石井・井出特定共同企業体

建設場所:静岡県富士市大淵676番地

設備概要:①ごみ焼却施設 : ストーカ式焼却炉 250t/日(125t/24h × 2炉)

          蒸気タービン発電機 6,800kW×1基

      ②破砕設備 : 剪定枝破砕設備 2.72t/日

契約金額:226億8,000万円(消費税込み、2017年契約締結時金額)

【運営管理業務】

発注者:富士市

受注者:川重・シンキ特定共同企業体

運営期間:2020年10月1日~2040年9月30日(20年間)

契約金額:145億8,000万円(消費税込み、2017年契約締結時金額)

 ニュースリリース

 

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