・過去100年以上の製造・保守のノウハウに基づき保全業務をサポート
・発電設備の保全業務を支援するサービス「ボイラー定期検査支援」を開発
・国内の紙パルプ工場を中心に採用、国内外の石油・化学・中小型発電事業者にも提案を拡大
同サービスはTOMONI™デジタルソリューションの一つとして、多岐にわたる保全関連資料の検索性向上による業務の省力化・効率化、業務に必要な知識の解説などによる人材育成のサポート、検査記録の可視化・解析に基づく最適な検査計画の提案などを通じて、顧客に価値を提供するもの。一部の顧客を対象に同サービスを提供し、ベテランの退職や世代交代を背景に深刻化する技能伝承や人手不足といった課題の解決に、効果を発揮した。これまで国内の紙パルプ業界を中心に提案してきたが、今後は国内外の石油・化学業界や中小規模の発電事業者にも積極的なソリューション提案をしていく。
サービスは、発電設備の定期検査の計画を支援することから始まり、三菱パワーが過去に納入した多様な燃料を使用するさまざまな型式のボイラー設備に対し、過去100年以上にわたり製造・保守を通じて蓄積したノウハウを用いたアルゴリズムで保全計画をサポートしている。顧客の多様なニーズに基づき継続的にサービス機能を拡張しており、現在以下のようなサービスメニューを提供している。
1.ボイラー設備(耐圧部)の定期検査計画支援・検査記録整理・可視化
2.設備診断サポート、改善提案
3.保全業務にかかわる資料の準備、自動テキスト認識・検索エンジン(取扱説明書、技術連絡書など)
4.プラントの基礎知識解説・学習支援
これまで、紙パルプ工場の中核設備でバイオマス発電に位置づけられる黒液回収ボイラー(注1)を中心としたサービスを積極的に展開してきました。ボイラー設備の検査記録の可視化や定期検査計画の支援、ならびに保全業務に関わる図書の管理・検索サービスを提供するほか、顧客の要望に応じてメールマガジンを通じて用語解説記事や保全業務の役立つ情報を提供している。契約先の顧客からは、設備の保全業務の省力化、学習、チーム内での情報共有や保守計画に役立つとして高い顧客満足度を得ている。
三菱パワーはこれまで、遠隔監視(注2)や蒸気タービン技術研修センター(注3)におけるトレーニングの提供など、メンテナンスを支援する各種サービスを顧客に提供してきた。今後も、技能伝承や人手不足をはじめとした課題の解決に向け、顧客の声を適時反映しながら、対象設備の拡充、日々の操業業務の支援、解説コンテンツの充実化、顧客同士による情報共有化などをさらに進めてサービスを拡張していく予定。
現在、新型コロナウイルスの感染リスク低減のため、非接触型のサポートが求められている。三菱パワーが提供するデジタルソリューションTOMONI™を進化させ、新たなニーズに応えていく。
(注1)パルプ製造工程で発生する廃液(黒液)を燃料とし、パルプ製造過程で必要な薬品の回収および工場のプロセスと発電に必要な蒸気を発生させるバイオマスボイラーで、製紙・パルプ工場の安定操業を支える中核設備となっている。
(注2)遠隔監視サービスについては、以下のウェブサイトをご覧ください。 -https://power.mhi.com/jp/service/remote
(注3)蒸気タービン技術研修センターの詳細については、以下のプレスリリース参照。