・高速回転条件(環境)下で低トルクと長寿命を両立
開発シールには、シールリップ摺動部(軸受の内輪と直接接触するシール部)に半円弧状の微小突起を等間隔に設けたことで、回転時にくさび膜効果によってシールをわずかに浮かせ、回転トルクを接触タイプシール付の従来品比で80%低減させることに成功。また、同シールは異物の浸入を防ぐことで長寿命化も実現しているため、軸受自体の強度を高めて長寿命化を図った特殊熱処理品からの置き換えも可能となる。
2017年の開発発表後、2018年には「“超”ものづくり部品大賞」(モノづくり日本会議/日刊工業新聞社主催)で「モビリティ関連部品賞」を受賞するなど専門機関からも高い評価を得ながら、顧客への提案を進めていたところ、低トルクと長寿命の両立に加え、従来品からの置き換えで高機能化を図ることができる点などが評価され、量産受注につながった。
今後、開発・普及が進む電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)など、これまで以上に高速回転が要求される車両においてもシールの発熱や異常摩耗等の損傷の心配なく使用できる。自動車の省燃費化や電動化が進む中、NTNはトライボロジー技術を駆使した同商品を提案・展開するとともに、顧客の課題解決に貢献する商品を開発していく。