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日立、MonotaROから無人搬送ロボット400台含む設備と倉庫制御システムを受注

・搬送設備と制御システムの一括提供により、新常態(ニューノーマル)に対応した先進の物流倉庫として大幅な効率化と生産性向上に貢献

   ㈱日立製作所は8月25日、工業用間接資材の通信販売最大手である㈱MonotaRO兵庫県川辺郡猪名川町に開設する物流倉庫「猪名川ディストリビューションセンター(仮称)」(以下、本センター)向けに、㈱日立インダストリアルプロダクツ製の小型無人搬送ロボット「Racrew(ラックル) *1」約400台を含む搬送設備と倉庫制御システム(以下、WCS*2)を受注したと発表した。

 商品が保管されている棚ごと指定位置まで自動搬送する「Racrew」を導入することにより、従来のピッキング作業に比べて3倍超の作業効率向上*3を実現し、さらに倉庫内の搬送設備全体の制御を行うWCSと連係させることで、 新型コロナウイルス感染拡大後の新常態(ニューノーマル)に対応する先進の物流倉庫として大幅な効率化と生産性向上に貢献する。将来的に日立とMonotaROは、現在導入検討を始めている倉庫管理システム(WMS*4)、およびロボティクスのさらなる活用により、最適な作業指示や人・設備などのリソースコントロールを行う機能を強化するなど、システムのさらなる高度化をめざす。本センターは、延床面積が約130,000平方メートルとMonotaROが運用する物流倉庫の中では最大規模であり、日立はこの搬送設備と制御システムを一括して2022年3月に納入予定。

  近年、eコマースは、取扱商品やサービスの充実に加え、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、その需要が急拡大している。一方で、物流業界では、多種多様な商品を顧客へ迅速かつ効率的に配送することが求められている。なかでも物流倉庫においては、先進のデジタル技術やロボティクスを活用したオペレーションの自動化や省力化、配送リードタイムの短縮に向けた取り組みが積極的に行われており、そのニーズはこれまで以上に高まっている。

 このような中、日立は、物流倉庫の高度化ソリューションとして、小型無人搬送ロボット「Racrew」などのプロダクトや、WCSやロボティクスなどのOT*5、WMSやAIを活用した倉庫業務効率化サービスなどのITまで幅広いラインアップを有しており、これらを組み合わせて顧客の課題を解決するトータルシームレスソリューションを提供している。

  MonotaROと日立は2015年よりロジスティクス分野での協創を進めており、2017年および2019年に同社の笠間ディストリビューションセンター(茨城県笠間市)に「Racrew」を合計260台以上納入した*6。また、2019年11月には、同社の茨城中央サテライトセンター(仮称)(茨城県東茨城郡茨城町)向けに「Racrew」約80台を含む搬送設備とWCSを受注しており、2021年3月に納入する予定。

  今後も日立はAIやIoT、ロボティクスなどの最新のデジタル技術を生かして、新常態(ニューノーマル)に対応するロジスティクス分野の課題解決を推進し、顧客の社会価値、環境価値、経済価値の向上に貢献していく。

*1「Racrew」は㈱日立インダストリアルプロダクツの日本における登録商標。

*2WCS:Warehouse Control System (コンベヤーなどの搬送設備を制御するシステム)

*3MonotaROの既存倉庫におけるカート台車を使用したピッキングによる1時間あたりの作業量と、本センターで「Racrew」を活用した場合の1時間あたりの作業量(想定値)を比較したもの。(MonotaROにおける事例でありRacrew適用による作業効率向上を保証するものではない)

*4WMS: Warehouse Management System (物流倉庫における入荷、在庫、出荷などの一連の業務を一元的に管理・効率化するシステム)

*5OT: Operational Technology(制御・運用技術)*6日立製作所Webサイト「社会イノベーション プロジェクト事例『欲しいものを、欲しい時に -eコマース企業を支える自動搬送ロボット』」

<受注概要>

発注者:㈱MonotaRO

納入先:猪名川ディストリビューションセンター(仮称)(兵庫県川辺郡猪名川町)

契約内容:「Racrew」約400台、搬送コンベヤー、バッファ装置、WCS

契約年月:2020年2月

納入予定年月:2022年3月(予定)

<今回受注した小型無人搬送ロボット「Racrew」概要>

  「Racrew」は工場の製造ラインや倉庫業・通信販売業の配送センター向けに、部品や商品の保管量、工場内レイアウトの変更に柔軟に対応し、指定した位置まで棚やパレットを自動搬送できる小型無人搬送ロボット。また、収集したデータをもとにデータアナリティクスのノウハウを活用して分析・シミュレーションすることで、利用頻度の高い部品や商品を積んだ棚を短時間で配置、また渋滞の少ない搬送ルートを選択するなど、搬送効率を改善させる機能を有している。本センターでは「Racrew」を導入することにより、従来のピッキング業務に比べて3倍超の作業効率向上を見込んでいる。

外形寸法:幅916mm×長さ953mm×高さ380mm

積載重量:最大500kg

走行速度:最大速度60m/分

電源:リチウムイオン電池(自動充電機能付)

 画像:]MonotaROの笠間ディストリビューションセンターで稼働中の小型無人搬送ロボット「Racrew」

 ニュースリリース

 

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