営業利益は海外での大幅な減収や為替の悪化に加え、2019 年第4 四半期の大幅な減産に伴い、同期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益が悪化したことなどにより前年同期比293 億円(26.4%)減の817 億円となった。税引前利益は営業利益の減少などにより前年同期比302 億円(26.4%)減少して844 億円。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を216 億円(26.6%)下回る596 億円となった。
■部門別の概況
<機械部門>
国内売上高は前年同期比9.1%減の1,446 億円。消費増税前の駆け込み需要の反動減や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う販売活動自粛の影響により農業機械や農業関連商品が減少した。
海外売上高は前年同期比10.5%減の5,744 億円。北米では、4 月以降の堅調な需要や新機種効果などにより小売は好調に推移しているものの、2018 年に発生した台風の影響を受けて一部製品の出荷時期が前々期から前期にずれ込んでいたことの反動や、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた工場の稼働停止に伴う生産や出荷の遅れにより、建設機械やトラクタが減少した。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたOEM 先の減産やオイル・ガス市況の悪化を受けて、エンジンも大幅に減少した。欧州では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うディーラーの営業停止や、エンジンのOEM先の減産などの影響により、建設機械、トラクタ、エンジンともに前年を大きく下回った。アジアでは、タイのトラクタが昨年から続く水不足の影響や在庫調整により減少した。
同部門のセグメント利益は値上げ効果や原材料価格の低下などの増益要因はあったが、国内外での大幅な減収や、同期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益悪化などにより、前年同期比25.0%減少して871 億円となった。
<水・環境部門>
同部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)により構成。売上高は前年同期比2.5%減少して1,503 億円となり、売上高全体の17.0%を占めた。
国内売上高は前年同期比3.3%減の1,309 億円。ダクタイル鉄管などが伸長したが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により合成管、空調機器、スパイラル鋼管などが減少したため、パイプインフラ関連製品は微減となった。環境関連製品は福島県双葉町での廃棄物処理施設の建設に伴う売上などが減少した。
海外売上高は前年同期比3.3%増の194 億円。韓国向けの素形材や中国向けの膜システムの売上が増加した。
同部門のセグメント利益は国内での減収やプラント建設コストの増加などにより、前年同期比7.7%減少して99 億円となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成。売上高は前年同期比6.4%減の148 億円となり、売上高全体の1.7%を占めた。同部門のセグメント利益は前年同期比5.7%減少して15 億円となった。
■連結業績予想に関する定性的情報
2020 年12 月期の連結業績予想については、新型コロナウイルスの感染拡大規模や終息時期が見通せない状況下では合理的な業績予想の算定は困難であることから未定としていたが、国内外において経済活動再開の動きが見えてきたことから、現時点において入手可能な情報ならびに第2 四半期の業績動向などを踏まえ、以下のとおりとした。
2020年12月期の売上高は前期比1,400 億円減(7.3%)の1 兆7,800 億円を見込んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大は緩やかに収束へ向かうと想定しているが、経済活動再開後の需要回復は緩やかとなるほか、部品調達を含めた生産の回復にも時間を要することから、新型コロナウイルスの影響は年間を通じて発生し、1,580 億円程度の減収要因となる見込み。営業利益は国内外での大幅な減収に加え、生産量の減少に伴う生産工場の損益悪化や円高の影響などにより、前期比517 億円減の1,500 億円となる見込み。また、税引前利益は前期比540 億円減の1,550 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比391 億円減の1,100 億円を予想している。
業績見通しにおける想定為替レートは、1 米ドル=107 円、1 ユーロ=120 円としている。