第1四半期の経営環境は、米中貿易摩擦の影響等により設備投資の減少が続く中、新型コロナウイルス感染症が拡大し、一段と厳しい市場環境となった。ファナックグループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先としつつ、顧客への商品の供給とサービス活動の継続に努めてきた。また、現在の厳しい市場環境に対処すべく、経費削減、不要不急な設備投資の見直し、業務の合理化など企業体質の強化を図っている。
■部門別の事業概況
ロボット部門については、米州では自動車産業向けが低調だったが、一般産業向けは堅調だった。中国ではIT関連向けを中心に好調に推移した。一方、国内および欧州では低調に推移した。これらの結果、ロボット部門の売上高は406億30百万円(前年同期比13.7%減)となった。
サービス部門については、世界各地でのロックダウンなどによる影響を受け、顧客の工場の稼働停止や工場の稼働率低下等により、同社サービスへの依頼が減少した。これらの結果、サービス部門の売上高は154億15百万円(前年同期比29.8%減)となった。
■連結業績予想に関する説明
2021年3月期の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の拡大の程度や収束時期を合理的に予想することが困難なことから、2020年4月24日公表の「2020 年3 月期決算短信」では、通期連結業績予想は未定とし、第 2四半期累計期間の連結業績予想のみ開示していた。
今回、現時点で同社が把握可能な情報に基づいて、新型コロナウイルス感染症の拡大による同社グループ各社への影響を見込んで第2四半期累計期間の連結業績予想を修正するとともに、通期連結業績は、売上高4,233億円(前期比16.7%減)、営業利益385億円(同56.4%減)、経常利益477億円(同53.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益345億円(同53.0%減)と予想した。
しかし、今回の予想は、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の程度や収束の時期などにより大きく変動する可能性があるとし、開示すべき重要な事項が発生した場合には、すみやかに業績への影響を発表するとしている。