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国際協力銀行(JBIC)、カタール国初の大型太陽光発電事業に対するプロジェクトファイナンス

・成長投資ファシリティにより、日本企業の海外事業展開を支援

 国際協力銀行(JBIC)は7月27日、丸紅等が出資するカタール法人Siraj (以下、SIRAJ1)との間で、同国アルカルサ太陽光発電事業を対象として、融資金額約165百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンスによる貸付契約を締結したと発表した。融資は、「成長投資ファシリティ」を活用し、みずほ銀行との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は約330百万米ドル。

 プロジェクトは、丸紅がカタール石油公社(Qatar Petroleum)、カタール発電造水会社(Qatar Electricity & Water Company Q.P.S.C.)及びフランス共和国法人TOTAL S.A.と共に設立したSIRAJ1が、カタールの首都ドーハ西方約80kmに位置するアルカルサ地区において、発電容量約800MWの太陽光発電プラントを建設・所有・運営し、完工後25年に亘りカタール電力水公社(Qatar General Electricity and Water Corporation)に売電する、同国初の大型太陽光発電事業。

 日本政府は、2019年6月に改訂した「インフラシステム輸出戦略」において、インフラの設計・建設・運営・管理を含むシステムの受注や現地での事業投資の拡大の推進を表明している。また、2018年7月に日本政府が発表した「エネルギー基本計画」において、政策金融を活用した事業における日本企業の参入促進を通じたエネルギー産業の国際競争力強化及び国際展開の推進が掲げられている。融資はこうした政府の施策に沿うものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期に亘り運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するもの。

  カタール政府は、「National Vision 2030」の一環として、再生可能エネルギーの導入を推進しており、2030年までに総発電量に占める再生可能エネルギーの割合を20%まで引き上げる目標を掲げている。プロジェクトは、こうした同国政府のエネルギー政策に沿うものです。また、カタールは世界有数の天然ガス産出国であり、プロジェクトへの支援は、日本にとって重要なLNG輸入先の一つである同国との重層的な経済関係の更なる強化にも貢献することが期待される。

 JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による海外インフラ事業展開を金融面から支援していく。

 ニュースリリース

 ニュースリリース(みずほ銀行)

 

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