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ヤンマー、2019年度売上は0.1%減の7,954億円、経常利益は12.9%増の157億円(更新)

 ヤンマーホールディングス(本社:大阪市北区)が6月23日に発表した2019年度連結業績によると、売上高は前年比0.1%減の7,954億9,400万円、営業利益は同69.2%増の137億1,200万円、経常利益は同12.9%増の157億3,800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同56.9%減の9億1,300万円となった。

 2019年度における経済環境は、イギリスのEU 離脱問題や米中貿易戦争の激化などに伴い世界経済全体の不透明性が増す中、新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、地域封鎖や経済活動の自粛などが世界各国で行われたことにより世界経済の減速に拍車がかかった。

 このような環境の中、海外事業における小形エンジン事業は欧州における前年度の駆け込み需要の影響を受けて販売が低迷したが、北米の堅調な需要に支えられて増収となった。しかし、アグリ(農業)事業では中国や東南アジアのトラクター市場低迷の影響などがあり、海外事業全体では減収となった。

 一方、国内市場の建機事業は台風19 号の影響による一部の調達部品の供給遅れにより微減となったが、アグリ事業における消費税増税前の駆け込み需要、エネルギーシステム事業の学校空調・防災関連需要増により増収となり、国内事業全体としては増収となった。最終的なヤンマー全体の売上は、第4四半期に新型コロナウイルス拡大の影響を受けたが、海外の減収を国内の増収でカバーし前年並みとなった。

 ヤンマー2019年度データ

■セグメント別概況

<産業用機械事業>

 セグメントは、農業機械、建設機械、ガスヒートポンプ並びに常用・非常用発電機により構成。

 農業機械の国内市場は、消費増税前に需要が増加したもののその後落ち込み、結果として前年並みで需要が推移した。海外市場は、稲作市場の低迷により中国・東南アジアの需要が低下した。結果として、売上高は前期を下回った。

 建設機械の国内市場は、台風被害により主要部品供給が停止した影響で、競合各社含め販売台数が低下し、需要が低迷した。また海外市場において北米、欧州、中国で需要が堅調に推移したものの、中国でのシェアを落とした。結果として、売上高は前期を下回った。

 ガスヒートポンプ及び発電機の国内市場は、学校空調に対する補助金採択の影響を受けてガスヒートポンプの需要が大きく増加した。また非常用発電機においても防災意識の高まりにより需要が増加した。また海外市場においては、トルコでの事業展開に成功した。結果として、売上高は前期を上回った。

<内燃機関及び関連機器事業>

 セグメントは、産業用エンジン、舶用エンジン、コンポーネントにより構成。

 小形産業用エンジンは、北米、欧州、中国で需要が堅調に推移し、売上高は前期を上回った。舶用エンジンは、世界的に低迷期にあるもののアジア地域の新造船建造量がやや回復基調にあり、売上高は前期を上回った。トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントにおいては、北米の需要低迷の影響を受けて、売上高は前期を下回った。

■2021年3月期連結業績見通し

 昨今の新型コロナウイルス感染拡大による影響のため、今後の需要動向について不透明な状況が続いており、現時点での合理的な業績見通しの算定が困難と判断し、2021年3月期の連結業績見通しの開示を見送った。今後合理的な算定が可能となった時点で改めて開示する。

 <ヤンマーについて>

 1912 年に大阪で創業したヤンマーは、1933 年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功した産業機械メーカー。「大地」「海」「都市」のフィールドで、産業用エンジンを軸に、アグリ、建機、マリン、エネルギーシステムなどの事業をグローバルに展開し、顧客の課題を解決するソリューションを提供している。ヤンマーは“A SUSTAINABLE FUTURE-テクノロジーで、新しい豊かさへ。-”をブランドステートメントに掲げ、次の100 年へ向けて持続可能な社会の実現に貢献していく。

 ニュースリリース

 ヤンマーHDの2019年度決算短信

 

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