■経営成績の概況
このような環境のもと、KYB製品の主要な需要先である自動車市場は、世界経済が失速したことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大により取引先各社も工場の操業停止等の影響を受けた関係で、前年度に比べ需要が減少した。また、建設機械市場も、中国の経済成長鈍化の影響を受け、前年度に比べ需要が減少した。
■セグメント別業績
①AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業セグメント
ⅰ) 四輪車用油圧緩衝器
ⅱ) 二輪車用油圧緩衝器
二輪車用油圧緩衝器は、主要な市場であるインドの市況悪化の影響で、売上高は282億円と前年度に比べ2.8%の減収となった。
ⅲ) 四輪車用油圧機器
パワーステアリング製品を主とする四輪車用油圧機器は、電動パワーステアリングやCVT(無段変速機)用ベーンポンプの販売減少により、売上高は321億円と前年度に比べ23.8%の減収となった。
ⅳ) その他製品
ATV(全地形対応車)用機器を中心とするその他製品の売上高は47億円となった。
以上の結果、同セグメントの売上高は2,321億円となった。営業損失は、減損損失の計上により95億48百万円となった。
②HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業セグメント
ⅰ) 産業用油圧機器
ⅱ) その他製品
鉄道用アクティブサスペンションシステム及び緩衝器を主とするその他製品の売上高は83億円と前年度に比べ0.3%の減収となった。
③システム製品
システム製品は、売上高は81億円と前年度に比べ4.5%の減収となり、免震・制振用オイルダンパーの不適切行為に伴う費用の計上等により、営業損失は339億85百万円となった。
④航空機器事業
航空機器事業は、売上高は55億円と前年度に比べ2.6%の減収となり、営業損失は28億23百万円となった。
⑤特装車両事業、電子機器等
ⅰ) 特装車両
コンクリートミキサ車を主とする特装車両の売上高は86億円と前年度に比べ5.7%の減収となった。
ⅱ) 電子機器等
電子機器等の売上高は19億円と前年度に比べ22.9%の減収となった。
以上の結果、同セグメントの売上高は105億円となり、営業利益は9億45百万円(営業利益率9.0%)となった。
■今後の見通し
世界経済は今後、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、経済活動の停滞により急激な冷え込みが懸念されている。KYBグループを取り巻く環境についても、四輪車用油圧緩衝器を中心としたAC事業、産業用油圧機器を中心としたHC事業ともに新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けているが、現時点でこの影響を合理的に算定することが困難なため、2021年3月期通期連結業績予想については未定。業績への影響を慎重に見極め、連結業績予想の見通しが得られ次第、速やかに発表するとしている。
説明会資料(6月5日追加)