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北越工業、2019年度売上は1.9%増の418億円、今期予想は未定

 北越工業が5月21日に発表した2020年3月期(2019年度)連結業績によると、売上高は、前期比1.9%増の417億8,900万円、営業利益は同1.7%減の53億2,000万円、経常利益は同3.2%減の54億6,100万円、純利益は3.7%減の36億2,100万円となった。

 売上高のうち国内は、前期比9.9%増の280億6,900万円、海外は同11.4%減の137億1,900万円。部門別売上高は、建設機械が横ばいの334億3,000万円、産業機械が同10.2%増の83億5,800万円となった。

 2019年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績による雇用環境の改善などを背景に緩やかな回復基調で推移していたが、輸出の減速や人手不足などのマイナス要因もあり先行きは不透明な状況にあった。世界経済は、長引く米中貿易摩擦による中国経済の減速が顕在化され、さらには年明け以降の新型コロナウイルスの感染拡大が加わり、全世界の経済に及ぼす影響が懸念された。北越工業は、生産効率の向上など生産体制の整備を進め、販売面では、さらなる販路の拡大や環境負荷軽減に配慮した新製品投入による市場開拓に注力してきた。

 北越工業2019年度データ

■部門別状況

<建設機械事業>

 建設機械事業セグメントは、主にエンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などの事業で構成している。

 販売面では、国内は首都圏を中心とした再開発や補正予算実行による公共投資の増加基調を背景に建設機械の出荷が堅調に推移した。海外では中国経済の減速の影響を受けた東南アジア向けの出荷が低迷したほか、北米向けでは一服感も見え総じて横ばいに推移した。利益面については、競合による売価の低下や原材料価格の上昇などにより、前年同期比で減益となった。

<産業機械事業>

 産業機械事業セグメントは、主にモータコンプレッサ、非常用発電機、部品、サービスなどの事業で構成している。

 販売面では、主力のモータコンプレッサにおいて市場が縮小する中、販売促進の効果により売上とシェアを伸ばした。また、度重なる自然災害によりBCP導入の意識が高まり、生産工場、酪農、農園向けなどの非常用発電機が大きく伸長したほか、台風による河川氾濫に備えた排水ポンプ用発電機の出荷も増加した。利益面では売上の増加と補給部品の供給や修理などのメンテナンス事業が堅調に推移し、前年同期比で増益となった。

■次期見通し

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、各国の経済活動が大幅に制限され、世界の社会と経済は深刻な事態に陥っている。一方、感染拡大が治まった中国はいち早く経済活動を再開しており、米国、東南アジア、欧州でも感染拡大の減速に合わせて一部の規制の緩和が始まった。

 北越工業はこれまで、全てのステークホルダーの安全・安心を第一に考え、各拠点において感染拡大防止に努めてきた。また、今後の感染拡大の収束度合いによって、事業環境が大きく変化することに備えて、情報収集に全力を傾け柔軟に対応できる体制を整えていく。

 なお、2021年3月期の連結業績予想については、刻々と変化する新型コロナウイルスの影響を現時点では合理的に算定することが困難であるため、業績予想は未定とした。今後、業績への影響を慎重に見極め、予想が可能となった時点で速やかに公表する。

 北越工業の2020年3月期決算短信

 

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