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東洋機械金属、2020年3月期売上は20.2%減の247.9億円

 東洋機械金属が4月24日に発表した2020年3月期(2019年度)連結業績によると、受注高は、自動車および中国でのIT電子機器関連からの需要が低調だったことから、247億9,400万円(前期比20.2%減)、売上高は、304億5,300万円(同4.2%減)となった。このうち、国内売上高は108億2,100万円(同0.9%減)、海外売上高は196億3,200万円(同5.9%減)となり、海外比率は64.5%となった。

 利益面は、第2四半期連結累計期間(2019年4~9月)以降の売上高が減少したことから生産操業度低下による固定費回収不足が生じ、営業利益は14億2,600万円(同30.6%減)、経常利益は14億3,800万円(同32.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億8,300万円(同34.3%減)となった。

■経営成績の概況

 2019年度の国内経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善を背景に緩やかな回復基調で推移したが、海外では、米中貿易摩擦の長期化により、米中はもとより近隣諸国の経済を減速させるなど、景気は製造業を中心に不透明感が拡大し、市場環境の悪化が顕著となった。さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響が世界経済に及ぼす懸念も日に日に高まりを見せており、不透明感がより一層深まる状況となった。東洋機械金属の事業に関連する業界も国内外の設備投資は自動車関連を中心に需要が減速し、厳しい事業環境となった。

 このような経営環境のもとではあるが、東洋機械金属グループは、中長期的な事業計画・方針のもと、2021年3月期までの3ヵ年の中期経営計画(TOYO-G-Plan2020)の基本方針である”グローバル成長市場戦略に向けた事業の拡大、成長及び構造改革”に沿って、収益向上への事業活動を推進してきた。

■製品別の売上状況

[射出成形機]

 射出成形機については、国内は、雑貨や容器類などの生活用品や医療機器関連向けの売上が増加した。また、海外では、中国でのIT電子機器や自動車関連は減少したが、欧州や米州での生活用品関連向けの売上が増加した。その結果、売上高は238億2,400万円(前期比4.8%増)となった。

[ダイカストマシン]

 自動車関連向けを中心とするダイカストマシンについては、国内の売上は減少した。また、海外では中国や東南アジアの売上が減少した。その結果、売上高は66億2,900万円(前期比26.7%減)となった。

■今後の見通し

 今後の経済見通しについては、景気の低迷が顕著になる中、新型コロナウイルス感染拡大が世界各地で続き、国内外の経済活動に大きく影響し、深刻化の度合いを増している。東洋機械金属の事業に関連する業界においても、事業領域が国内外で多岐に渡るため、その影響が拡大する可能性があり、自動車関連の需要は早期回復が期待できない状況にあり、厳しい状況が続くものと予想される。

 東洋機械金属グループは、変動する市場の需要に対してはスピード感をもって対応し、自社内に保有する総合的な営業力・技術力・生産力をもって、あらゆる業種のニーズに対応していく。

 営業面では、グローバル市場への営業力を強化し、積極的な営業展開で新規成長エリア・市場の開拓に努めていく。また、技術面では、東洋機械金属の独自技術とカスタマイズ対応力を活かした顧客価値創造型の製品群を市場投入し、顧客の商品価値を高める“Customer’s Value Up”を引続き展開していく。

 さらに生産面では、中大型機の生産増強のため、今夏に導入が予定される射出成形機大型機組立工場や大型機加工用マシニングセンターを駆使し、生産能力拡大や生産技術力を高めるとともに、生産効率化と部材の最適調達を推進し、安定した製品供給とコストダウンに努め、厳しい市場環境を乗り超え、来る市場回復に向けて迅速な事業展開を推進していく。

 中期計画(TOYO-G-Plan2020)は、市場環境の変化はあるが、その方針に向けて諸施策を着実に実行していく。さらに、部門横断的な次世代機種開発プロジェクトの推進や材料部品の海外調達の拡大、VAによるコスト低減及び経費の削減などにも取組むが、市場環境の悪化により、事業規模が縮小することが見込まれ、業績は厳しくなると予想される。

 従って、2021年3月期の連結業績見通しについては、売上高233億円(前期比23.5%減)、営業損失および経常損失は、3億7,000万円、親会社株主に帰属する当期純損失は、5億8,000万円を見込んでいる。

 なお、今後の新型コロナウイルス感染症の影響の程度や期間が不透明な状況の中、2021年3月期の連結業績見通しは変動する可能性がある。

 東洋機械金属の2020年3月期決算短信

 決算説明資料

 

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