・ライフサイクル事業で同国の電力安定供給に貢献
㈱IHIは2月18日、現地発電所保守運営会社PT COGINDO DAYABERSAMA社(以下、コギンド社)と共同で、インドネシア国営電力会社PLN社の子会社であるインドネシアパワー社が運営するスララヤ石炭火力発電所8号機(62万5千kW)の他社製ボイラ火炉壁の改修工事を受注したと発表した。
スララヤ石炭火力発電所(出力合計402万5千kW)は、首都ジャカルタから西に約120kmに位置する、同国にとって最も重要な発電設備のひとつ。IHIが更新を担当する火炉壁は、ボイラの中でも様々な損傷が起こりうる部位で、改修工事は設備の安定運転のために適切な処置が必要とされる重要工事になる。
インドネシアでは、急速な経済成長と社会の発展に伴い、電力需要が急増しており、今回受注した改修工事とは別に、IHIは現在同国PLN社向けにボイラ設備計3基を受注し、工事を順調に進めている。IHIは1990年代よりボイラ設備の生産拠点として同国でPT Cilegon Fabricators(チレゴンファブリケーター)を展開しており、IHIの国内外における火力発電ボイラの豊富な納入実績およびIHIとPT Cilegon Fabricatorsによる新設・メンテナンスの両面での顧客への対応体制等が評価され、改修工事の受注に至ったもの。
IHIは、火力発電ボイラの建設、メンテナンスに関する豊富な知見を基に、高効率・高品質かつ環境性能にも優れた発電システムの提供に加え、保守サービスをはじめとするライフサイクルビジネスの展開を通じて、グローバルに環境負荷の低減とエネルギーの安定供給の両立に積極的に取り組んでいる。今年度からのグループ経営方針の中で、顧客のCO2低減を活動目標に設定してライフサイクルビジネスの拡大を進めており、発電所の安定運転・高稼働率での運転に寄与することで、顧客のライフサイクルにおけるCO2低減に貢献していく。
<受注した改修工事の概要>
オーナー:PT. Indonesia Power
工事仕様:ボイラ火炉壁更新
完成予定:2021年4月
工事体制:IHIとコギント社のコンソーシアム
担当所掌:IHI:ボイラ主要機器の納入等
コギント社:据付等
<インドネシアパワー社 スララヤ火力発電所>
出力合計: 402万5千kW(1~4号機 各40万kW、5~7号機 各60万kW、 8号機 62万5千 kW)
場所:バンテン州チレゴン(ジャカルタから西に約120Km)