・全固体リチウムイオン電池の実用化を加速
出光興産は2月18日、次世代電池として有望な全固体リチウムイオン電池向け固体電解質の商業生産にむけた実証設備を、出光興産の主力事業所の一つである千葉事業所（千葉県市原市）内に新設、2021年度第1四半期の完工・稼働を開始（予定）すると発表した。
全固体リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池の一種で、正極と負極間のイオンの伝導を固体の電解質が担う電池。電気自動車や定置用電池向け等に早期の実用化が求められており、キーマテリアルである固体電解質に対するニーズも高まっている。
近年、全固体リチウムイオン電池はエネルギー密度向上、充電時間の短縮、安全性向上などにより、現行の液系リチウムイオン電池の課題を克服できる次世代電池として急速に開発が進められている。
こうした中、出光興産は全固体リチウムイオン電池のキーマテリアルである硫化物系固体電解質を開発している。これまでに高純度の硫化リチウム製造法を確立しており、硫化リチウムを原料とする硫化物系固体電解質について開発をリードし、現在数多くの特許を保有している。出光興産では、これまで蓄積してきた技術を実用化することにより、今後固体電解質の量産および更なる品質向上、コスト削減を図り、原料からの一貫生産と安定供給体制の構築を目指す。
出光興産は、全固体リチウムイオン電池向け固体電解質の開発・実用化を推進し、電動化社会に貢献していく。
＜量産実証設備の概要＞
所在地：千葉県市原市姉崎海岸 2-1（出光興産千葉事業所内）
完工・稼働開始：2021年度 第1四半期（予定）