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加藤製作所、2019年4~12月期売上は6.4%減の554億円、通期純利益は6億円の赤字見通し

 ㈱加藤製作所が2月13日に発表した2020年3月期第3四半期連結累計期間(2019年4~12月)業績によると、売上高は554億6,400万円(前年同期比93.6%)となり前年同期を下回った。損益については、製品ミックスの変化及び生産体制再構築のための工場移転作業の影響並びに工場の改修、増設による減価償却費の増加により原価率が悪化し、営業損失2億6,000万円(前年同期は営業利益28億4,900万円)、経常損失4億5,000万円(前年同期は経常利益34億7,800万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億5,100万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益22億800万円)となった。

■経営成績に関する説明

 2019年4~12月期における国内経済は、雇用環境の改善が見られるものの、消費税増税や台風被害により景気は減速感が出てきた。米中貿易摩擦により中国経済は減速が続いており、その影響が東南アジアの経済に出始め、景気の不透明感が続いている。このような状況下、加藤製作所グループは、横浜工場の生産機能を群馬工場へ移転し、生産体制の再構築を行っている。また、国内各工場の補修部品を新設された坂東工場へ集約し、部品供給体制の効率化を図っている。

 なお、非連結子会社であったKATO IMER S.p.A.とKATO EUROPE B.V.は、重要性が増したことにより第1四半期連結会計期間より連結の範囲に含めている。

 加藤製作所2019年4~12月期データ

■セグメント別の状況

<日本>

 国内向けの建設用クレーンは、構造規格変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要の反動減と消費税増税により売上高は減少し、海外向けの建設用クレーンも、中国経済の減速が東南アジア経済にも影響し、インドネシア、マレーシアなどを中心に売上高は大幅に減少した。国内向けの油圧ショベル等は、第2四半期まではレンタル会社の需要は増加したものの、景気の先行きが不透明なことによる買い控えから、売上高が伸び悩み微減となった。海外向けの油圧ショベル等は、一部製品の部品納入遅延が続き、生産遅れが発生したことにより、売上高は減少した。これにより、日本の売上高は471 億7,700万円(前年同期比88.9%)となり、セグメント損失は12 億8,300万円(前年同期はセグメント利益12 億1,300万円)となった。

<中国>

 中国の油圧ショベル等は、米中貿易摩擦により中国経済の減速が続き、インフラ投資の停滞が見られ売上高は減少した。

 中国の売上高は79 億7,400万円(前年同期比84.4%)となり、セグメント利益は10 億5,200万円(前年同期比62.9%)となった。

<その他>

 建設用クレーンを製造販売しているKATO WORKS(THAILAND)CO.,LTD.の売上高は増加した。また、連結子会社としてミニショベル等を製造販売しているKATO IMER S.p.A.及び建設用クレーンや油圧ショベル等を販売するKATO EUROPE B.V.を加えたことにより、その他の売上高は34 億3,500万円(前年同期比554.4%)となり、セグメント損失は4 億8,400万円(前年同期はセグメント損失1 億9,200万円)となった。

■主要品目別売上高の状況

<建設用クレーン>

 国内は、オペレータ不足が続き、また、構造規格変更によるモデルチェンジ前の駆け込み需要の反動減と消費税増税により、売上高は減少した。国内建設用クレーンの売上高は290 億2,700万円(前年同期比97.0%)となった。海外は、中国経済の減速が東南アジア経済に影響し、インドネシア、マレーシアなど東南アジアを中心に、売上高が大幅に減少した。海外建設用クレーンの売上高は40 億3,300万円(前年同期比70.0%)となった。これにより、建設用クレーンの売上高は330 億6,000万円(前年同期比92.7%)となった。

<油圧ショベル等>

 国内は、第2四半期まではレンタル会社の需要が増加したものの、景気の先行きが不透明なことによる買い控えから、売上高は微減となり、国内油圧ショベル等の売上高は89 億7,300万円(前年同期比99.0%)となった。

 海外は、米中貿易摩擦の影響により中国経済の減速が続き、インフラ投資の停滞が見られました。また、一部製品の部品納入遅延が続き、生産遅れが発生したことにより、海外油圧ショベル等の売上高は128 億1,000万円(前年同期比93.3%)となった。これにより、油圧ショベル等の売上高は217 億8,300万円(前年同期比95.6%)となった。

<その他>

 その他の路面清掃車や万能吸引車等の売上高は6 億2,000万円(前年同期比79.0%)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2020 年3月期の連結業績予想については、前回発表(2019 年11 月8日付)の通期業績予想を以下のとおり修正した。

 売上高800億円(前期比6.3%減)、営業利益3億5,000万円(同:92.2%減)、経常利益5,000万円(同:99.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益△6億円(前期+30億3,400万円)。

 売上高については、国内において、建設用クレーンの一部でモデルチェンジ前の駆け込み需要の反動減が想定より大きい事や、消費税増税及び景気の先行き不透明感から顧客の買い控えが続いているため、前回予想を下回る見込みとなった。海外においても、中国経済の減速により主要輸出先である東南アジアの経済が影響を受け、売上高は予想を下回る見込みとなった。

 損益面については、売上高の減少に加え、棚卸資産の評価損、製品保証関連費用及び開発費等の増加が見込まれており、営業利益及び経常利益は前回予想を大幅に下回る見込みとなった。また、親会社株主に帰属する当期純利益においても、前述の理由により親会社株主に帰属する当期純損失となる見込み。

 なお、現時点において新型コロナウイルスによる業績への影響を合理的に算出する事は困難なため、今回の予想には織り込んでいない。

 加藤製作所の2020年3月期第3四半期決算短信

 第3四半期決算説明資料

 

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