・CEO直轄による成長戦略の推進
「成長推進室」を設置し、新事業の探索・開発機能を強化
・既存事業の一層の強化を目指したドメイン再編
・事業体制を3ドメイン4セグメントに改編、組織のフラット化により成長戦略を加速
三菱重工業は2月6日、新事業の探索・開発を担う成長推進部門の設置ならびにドメインおよびセグメントの改編を二本柱とする企業組織の再編を4月1日付で実施すると発表した。ドメインおよびセグメントの改編は、100%子会社である三菱重工フォークリフト&エンジン・ターボホールディングス株式会社(M-FET)を同日付で吸収合併することも含め、組織をフラット化することで成長戦略の推進を一層加速することが狙い。
今回の組織改編により、脱炭素化への取り組みの加速の必要性や米中貿易摩擦などの外部環境の変化に対応しつつ、同社グループのシナジーを活かして、収益力およびグローバル市場での競争力を強化していく。
<組織再編の概要>
1.CEO直轄による成長戦略の推進:成長推進室の設置
従来、グループ戦略推進室やマーケティング&イノベーション本部などに分散されていた新事業開発に係る機能を集約して、CEO直下に「成長推進室」を設置する。成長推進室は、社会的価値の大きな変化や技術革新の急激な進展を踏まえ、既存事業部門では対処しにくい新しい領域の開拓や既存事業の組み合わせを通じた事業開発に機動的に取り組んでいく。
2.既存事業の一層の強化:ドメインの再編
グローバル成長に向けた事業体制整備
・エネルギー・環境分野でのグローバル展開
三菱重工の100%子会社となる三菱日立パワーシステムズ株式会社(MHPS)などを中心とした現行パワードメインは、「エナジードメイン」として脱炭素化・低炭素化を軸にエネルギー・環境分野でのグローバル展開を強化するとともに、火力発電システム分野の構造転換を推進する。
・インダストリー&社会基盤(I&I)ドメインを受注品系と量産品系に分割
現行I&Iドメインは、受注品系の「プラント・インフラドメイン」と量産品系の「物流・冷熱・ドライブシステムドメイン」に分割して、それぞれのドメインが傘下事業の成長戦略や課題への対応を加速する。
物流機器・エンジン・ターボチャージャを統括していたM-FETは、物流機器のPMIなどの所期の目的を達したことから三菱重工に吸収合併して、組織をフラット化する。
国内主体事業の機動性強化
・原子力セグメントおよび機械システムセグメントのCEO直轄化
原子力事業部門は、CEO直轄の「原子力セグメント」として機動的な事業運営を行っていく。
多様多品種な製品を扱う三菱重工機械システム株式会社は、ドメイン内組織からCEO直轄の「機械システムセグメント」とし、機動性の強化をはかる。