・既設ガスタービンの改良も手掛け出力74%の向上を実現
・ 2006年のデュアル燃料化を通じて、テルモカンデラリア社とのパートナー関係を構築
・ 15年間のLTSAも締結、MHPS-TOMONI®でO&Mをさらに簡素・高効率化
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は1月29日、コロンビア共和国の主要港湾都市であるカルタヘナ(Cartagena)の天然ガス・石油焚き火力発電所向けに、蒸気タービン発電設備を受注したと発表した。ガスタービン単独(シングル)サイクル発電方式をガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)化することなどにより、高効率化するもの。現状約33万kWの発電能力を約57万kWまで約74%向上させる。
この発電所は、発電事業者のテルモカンデラリア社(Termocandelaria S.C.A. E.S.P.)が運営しているもの。既存の発電設備は、他社が納入したガスタービン2基からなり、MHPSが2006年に同設備のデュアル燃料化への改造を手掛けた実績がある。これを契機として、パートナー関係が構築された。今回、蒸気タービン設備の追加によるGTCC化と合わせて、既設ガスタービンのアップグレードならびに15年間にわたる長期保守サービス契約(LTSA)を締結した。
MHPSは、米国法人を契約窓口として、追加工事のEPC(設計・調達・建設)取りまとめを請け負うスペインのテクニカス・レウニダス社(Tecnicas Reunidas SA)から受注し、蒸気タービン1基および発電機1基ならびに補機・補修部品を供給する。また、MHPSのデジタルソリューションサービス「MHPS-TOMONI®」も適用。同発電設備に対する遠隔リアルタイムの状態監視・性能監視を通じ、定期検査間隔の延長を含めた運用および保守(O&M)の簡素・高効率化、ひいては設備の運用改善および性能向上を目指す。
MHPSは、今後もGTCC発電システム化やMHPS-TOMONIによるサービスの提供を通じて顧客と一層緊密に連携しながら発電設備の運用最適化を追求することにより、発電所の経済性を高めて顧客の収益力の向上に寄与するとともに、電力の安定供給と地球環境負荷の低減に貢献していく。